7月19日から28日まで、東京で開催されていた「第42回国際化学オリンピック」の閉会式が、27日、早稲田大学大隈講堂で開かれました。
世界各国を代表して集まった高校生267名(68カ国・地域)が、実験試験と筆記試験を受け、化学の成績を競った10日間。
個人の成績で、全体の上位10%に金メダル、以下20%に銀メダル、30%に銅メダルが授与されます。
開催国として期待を集めた日本代表の成績は、以下の通り。
浦谷 浩輝 |
(うらたに ひろき)さん |
滋賀県立膳所高等学校 |
2年 |
銀メダル |
遠藤 健一 |
(えんどう けんいち)さん |
栄光学園高等学校 |
3年 |
金メダル |
片岡 憲吾 |
(かたおか けんご)さん |
筑波大学附属駒場高等学校 |
3年 |
銀メダル |
齊藤 颯 |
(さいとう はやて)さん |
灘高等学校 |
2年 |
金メダル |
※氏名の50音順にて掲載(写真左から)
※年齢は本大会終了時点のもの
代表選手4名は、多くの期待に応え、金メダル2名、銀メダル2名という、2003年の日本初参加以来、最高の成績を修めるという快挙を成し遂げました。
4名は、
「全てがプラスになる経験。(翌日の)見送りまで交流など全力を尽くしたい」 (浦谷浩輝さん)
「大会前に自分で宣言した通り、2つ目の金メダルを取れてよかった。目標であった国際交流も多くできたのでよかった」 (遠藤 健一さん)
※遠藤さんは第41回大会(2009年)でも金メダルを獲得。
「途中で体調を崩してしまったが、試験のときは熱を忘れるくらい集中できた。その結果、銀メダルが取れてよかった」 (片岡 憲吾さん)
「とても有意義な時間が過ごせた。また来年も参加したい」 (齊藤 颯さん)
とそれぞれ大会や成績を振り返りました。
閉会式では各国の選手が、名前を呼ばれると同時に歓喜の声をあげて舞台に駆けつけ、それぞれのメダルを誇らしげに掲げていました。
化学オリンピック日本委員会の野依良治・委員長は、生徒たちに
「お互いに異なる文化に敬意をもち、その上で人類生存のために連携をする。互いの文化を尊ぶ文明を構築することが21世紀の科学者、技術者の使命だと信じます。ぜひこの化学オリンピックで築いたネットワークや科学に対する新たな情熱を発展させていただきたいと思います」と自らの想いを語りました。
初めて日本で開催された国際化学オリンピック。大会中選手たちは、浅草や鎌倉、日光などに観光に出かけたり、柔道や茶道などを体験し、日本の文化の中で、国を超えて化学に興味を持つ同志との交流を持つことができたようです。閉会式では国際化学オリンピック運営委員会のDuckhwan Lee 委員長も、今大会を振り返って「大成功だった」と評しました。
長期間の合宿で、すっかり打ち解けた様子の選手たちは、閉会式後もお互いの健闘を称え合い、記念写真を撮る姿も多く見られました。
ホスト国である日本を代表し、優秀な成績を修めた日本代表選手を始め、各国から集まった化学を志す高校生たち。日本で培った友情や発見を、それぞれの地で育み、大きく花開かせてくれることと期待します。
大会中の様子などはこちらから→http://www.icho2010.org/top.html |