独立行政法人科学技術振興機構と日本科学オリンピック推進委員会は、6月13日、都内で国際科学オリンピック記者説明会を行い、全7教科の国際大会に向けた取り組みについて説明しました。
今年は東日本大震災の影響で最終選考のスケジュールに影響が出ましたが、7科目31名の日本代表が選ばれました。
会見では、数学、物理、化学、情報、生物学、地学、地理の7教科それぞれの選考委員が、代表生徒の特徴や日本の強み、今後の課題などについて報告を行いました。
数学オリンピック財団
小林一章さん
国際生物学オリンピック日本委員会
齋藤淳一さん
国際科学オリンピック日本代表に選ばれた
笠原君(写真右)と副島君(写真左)
日本代表の強みについては、「知識意欲が旺盛」(化学オリンピック小委員会委員長 米澤宣行さん)、「幅広い素養を身に着けている」(国際生物学オリンピック日本委員会 齋藤淳一さん)、「様々なコンテストで鍛えられている」(情報オリンピック日本委員会 橋本章さん)などをあげ、一方、日本の課題は、「国際大会と日本の高校の学習内容にギャップがある」(化学オリンピック小委員会委員長 米澤宣行さん)、「英語力が弱い」(地学オリンピック日本委員長 瀧上豊さん)、「地方からの応募者・受験者の掘り起こしが必要」(数学オリンピック財団 小林一章さん)などをあげました。
各科目とも、昨年以上の成績を目標に掲げなら、「世界のライバルと交流を深め、のびのびと頑張ってほしい」と、日本代表に選ばれた選手たちにエールを送りました。
会見には、国際物理オリンピック日本代表に選ばれた開成高等学校2年生の笠浦一海さんと、国際化学オリンピック日本代表に選ばれた立教池袋高等学校2年生の副島智大さんも出席し、それぞれ緊張した面持ちで「金メダルを目指します」と意気込みを語りました。大会での国際交流について副島さんは、「世界の人たちは日本の震災被害を心配していると思う。他の国の人たちに、震災の状況について知りうる限りのことを伝えたい」と日本代表しての表情も見せました。
昨年は、数学、化学、情報で、それぞれ金メダル2名、生物、地理、地学でそれぞれ金メダル1名を獲得した日本。メダル獲得に向けて、世界へ挑戦する日本代表への期待が高まります。
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