8月7日 3時限目
「超伝導リニア講座」
北澤 宏一 (独)科学技術振興機構(JST)理事長 東京大学名誉教授
金属を超低温にした時、電気抵抗がゼロになり、永久電流がおこる超伝導。その最高権威と言われる、北澤宏一 先生の講義です。
リニアモーターカーを見学してきたばかりの塾生たちへ、詳しくその仕組みを説明しました。
「リニアモーターカーのどこに電流が流れていた?」
先生と塾生が質問と答えのキャッチボールをしながら、授業が始まりました。
ちなみに、この質問の答えは「レール脇のコイル。」
高速で車両が通過するとき、車両についた超伝導磁石とレールの両側に着いたコイルに電流が流れ、車両を動かす力になっているのです。
(上) 誘導電流を起こす実験キット
(下) 実験する塾生
ここで、塾生に実験キットが配られました。
誘導電流を起こし、LEDライトを点けるというもの。
ストローの中に磁石をいれ、ストローにコイルを通す。そのコイルにLEDライトを接続。
ストローを振り、磁石をコイルの間で動かすと…LEDライトが光った!
これが誘導電流のしくみです。
塾生からは夢中でストローを振り、うれしそうにLEDの光を見つめていました。
そしてまた講義を再開。
中国の上海で実用化されているものと、日本のものとの違いや、2025年に開通する予定の東京-名古屋間のリニアモーターカーついての概要を解説しました。
最後にリニアモーターカーのメリットとして、鉄道より安全性が高いことなどを紹介。
現在の鉄道は、車輪へ負荷がかかり割れてしまうことがあります。では、車輪を使わずに走らせることはできないか?それが、昔からの鉄道マンの夢だったそうです。
1962年から研究がスタートした、リニアの夢。
それを語る北澤先生の熱い講義に、授業の最後には自然と拍手が起こりました。
女性サポーターが参加
第一線で活躍する女性で構成され、創造性の育成塾を応援していただいている「女性サポーター」が、今日のリニアモーターカー見学から合流しました。
北澤先生の講義にも参加され、実験を一緒に見守ったりと、塾生の活き活きとした姿に目を見張っていました。
(事務局・大野)
北澤 宏一 先生 プロフィール
工学博士。専門分野は物理化学、固体物理、材料科学、磁気科学、超電導工学。特に高温超電導セラミックスの研究で国際的に知られ、80年代後半、高温超電導フィーバーの火付け役を果たす。日本学術会議会員。紫綬褒章受賞。
ストリーミング動画
動画の公開は終了しました。
|
授業で使われた資料
Link
|
|