超伝導で世界を変える―自然エネルギーを活かすスーパーハイウェイ―

【夏合宿レポート】

2009年8月8日

8月8日 1時限目
「超伝導で世界を変える―自然エネルギーを活かすスーパーハイウェイ―」
北澤 宏一 (独)科学技術振興機構(JST)理事長 東京大学名誉教授

昨日の講話に引き続き、北澤宏一先生による超伝導の授業。
まず北澤先生は、私たちの住む地球の現状を説明し、その世界に超伝導を取り入れることで、どのように世界が変わるかを話しました。

人口の爆発的な増加や、地球の温暖化などにより、エネルギーの供給問題が現実化してくるのは時間の問題です。その問題の緩和のために北澤先生が思い描いているのは、超伝導の状態を維持するケーブルで、世界中に電力を送電すること。

電力は、貯蔵が難しく、現在の電線では抵抗が大きいため、送電する距離が長ければ長いほど電力は落ちてきてしまいます。それを、電気抵抗ゼロの超伝導状態で電力を送れば損失はなし。

しかし、実現化するにはとても大きな問題がありました。超伝導状態は、とても低い温度でしか保てず、そのためには高価な液体ヘリウムが必要なことから、その用途は一部の特殊なものに限られていました。

難しいと思われていた超伝導による送電ですが、急速に実現化が現実味を帯びる出来事が、1986年に起こります。
それが、高温超伝導の発見です。1986年に、ドイツ雑誌に投稿された論文をきっかけに、上限温度が比較的高く、安価な液体窒素で冷却できる高温超伝導体が相次いで発見されました。そして1987年、北澤先生の所属する研究室で、当事最も高い上限温度を持つ超伝導体を実現。その後も研究は続けられ、更なる高温超伝導の研究と、またそれによる超伝導ケーブルの実現へと歩を進めています。

北澤先生の夢は、世界中に超伝導ケーブルをめぐらせ、安定した電力を供給すること。まだ謎の多い超伝導ですが、その研究の経緯と、最先端の展望を聞くことができました。

(事務局・伊奈)

北澤 宏一 先生 プロフィール
工学博士。専門分野は物理化学、固体物理、材料科学、磁気科学、超電導工学。特に高温超電導セラミックスの研究で国際的に知られ、80年代後半、高温超電導フィーバーの火付け役を果たす。日本学術会議会員。紫綬褒章受賞。

授業で使われた資料

資料は配布ありません。

Link

産学官連携ジャーナル・プロフィールhttp://sangakukan.jp/journal/profile/kitazawa-k.html

日本科学技術振興機構(JST)・経歴http://www.jst.go.jp/pr/announce/20071001/index.html

Science Portalhttp://scienceportal.jp/highlight/2009/090109.html

日本科学技術振興機構(JST)・理事長挨拶http://www.jst.go.jp/aisatsu.html

   
   
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