第8回夏合宿-HOME > 授業レポート
8月5日 (月) 3時限目
13:00~ 森 千鶴夫 名古屋大学 名誉教授 講義 「自然放射線の可視化の研究」 |
※授業の動画公開は終了しました。
放射能に関する様々な測定法の開発をされてきた森先生。今回は、その研究の一部をご紹介いただきます。
まず、放射線とは何かを解説。人間の五感では感じることが出来ない放射線の特徴について、粒子放射線と電磁波放射線の2つの種類があることや、物質を透過する性質、電離させる性質などをわかりやすく説明していただきました。
「私たちは自然の放射線の中で生活している」と先生。つづいて、宇宙から降り注ぐ放射線(宇宙線)や、飛行機に乗っているときの放射線量など、身の回りにあふれる放射線についてのお話です。
石や土、食べ物からも放射線が出ていることを紹介し、先生が世界で初めて成功したという、食べ物から出ている放射線を撮影した画像を披露しました。
イメージングプレートを使って撮影した、めがねや植物、キュリー夫人の実験ノートなど、様々なものの放射線画像も見せてくださいました。また、様々な撮影対象に応じた撮影の方法の工夫も語られました。
また、合宿2日目のきり箱の実験で観察したアルファ線の飛跡や特徴などをたくさんのデータを交えて解説してくださいました。
最後に、塾生たちに「伝記を読みなさい」と勧める先生。
ヘレンケラーや盲目の国学者・塙保巳一などの逸話を紹介し、「伝記を読むことで、その人の一生を短時間であるが追体験できる。」と話しました。
そして、「困難を楽しんで乗り越えて行け。」「自分の価値を信じて生きていってほしい」と塾生に言葉を贈りました。