第8回夏合宿-HOME  > 授業レポート

 
   
 
  

 

 8月5日 (月) 4時限目

 

14:30~

中西 友子

東京大学大学院 教授
(農学生命科学)

講義 

「植物の生命活動を見る 放射線が拓く生命の謎 」

 

 

 

 

40年間放射線を扱ってきたという中西先生。今日は植物の生命活動を、放射線と絡めてお話してくださいます。

 

まずは、植物の特性について。植物は動物と違い、水と元素だけあれば成長できます。
先生は、放射線を利用して、生きている状態で、植物の水と元素がどのように動くのかを研究してきました。

 

生きた植物中の水の分布を調べるには、中性子線を利用します。中性子線は、水が多い部分ほど通過しづらくなる性質を持っており、その性質から、中性子線で写真を撮ると、対象物の構造や、どのくらい水が含まれているのかが分かるのです。
この方法を用いることで、対象物を壊すことなく、中身を見ることができるといいます。
また、アイソトープの利用からも、植物中の水と元素を調べることができます。

 

次に、放射化分析から元素の分布が分かる例として、アサガオ中の元素の動きについて。アサガオの放射化分析図を見ると、元素が偏っていることがわかります。植物は必要な所に必要な分だけ元素を運んでいるため、偏りがみられるそうです。

 

また、植物の中には、ある元素だけを集めるものがあります。
ここでは、普通の植物の千倍近くセレン(Se)を集め、猛毒であるはずのセレンを有用な元素に換えるという植物が紹介されました。
塾生たちは、今までに見たことが無い植物の像を見て、驚きの声を上げていました。

 

 

放射線を使い、様々な角度から植物を観察してこられた先生は、何度も「植物は賢い」と話していました。
また、栄養分が少ない土で育った植物の方が実りが多いことを例に上げ、「若い頃に苦労を重ねることが大事」とおっしゃいました。