国際宇宙ステーションの観測装置を製作
1限目は、全国中学校理科教育研究会会長の中村日出夫先生(東京・品川区荏原第一中学校校長)の授業、「国際宇宙ステーション(ISS)を探してみよう」。
中村先生はまず、地球の周りを回りながら建設が進められている「国際宇宙ステーション」(2010年完成予定)について①人が生活できる宇宙の研究所②日本・アメリカ・ロシア・カナダ・ヨーロッパ各国が協力して利用する「国境の無い場所」③地上から400km上空を周回、90分で地球を1周すること、などを解説した。
さらに、宇宙ステーションは①朝方・夕方の2時間くらいに見える、②木星と同じ2等級の明るさで、肉眼で見える③見える時間、方角、角度(仰角)はJAXA(宇宙航空研究開発機構)ホームページに詳細に出ていること」を紹介した。
その後、塾生は、正しい時間に正しい方角に向けるよう、方角と角度を測ることができる「衛星観測装置」を製作した。
燃料電池作り
2・3限目、東京・新宿区立新宿中学校、小林輝明先生の授業では、燃料電池作りにチャレンジした。小林先生は、まず電気が水を酸素と水素に分解することを実験させた後、燃料電池作りに取り組ませた(写真)。今回作った燃料電池は、酸素と水素を化学反応させて電気を取り出した。
塾生は、ペンチを使ってゴム栓に針金を通す作業などに四苦八苦。手作りの難しさを体感していた。
牛乳パックでカメラ作り
4・5限目は、埼玉県鶴ヶ島市立鶴ヶ島中学校の沖杉誠一先生と一緒に、牛乳パックでカメラを作った。
沖杉先生は、まず、虫眼鏡のレンズが光を集める焦点を説明した上で、「明るい外の景色の光を虫眼鏡で部屋の中の紙の上に集めることはできるでしょうか?」と塾生に質問。塾生たちが、手にしたレンズで実験すると、教室はどよめいた。コピー用紙には景色がきれいに映った。
その後、カメラを製作し、外に出てカメラを設置(写真)。感光時間20分の長い撮影タイムの後、印画紙代わりの紙にアイロンをあてると、景色が浮かび上がった。
光の屈折率を実験データから計算
6・7限目は、東京・江戸川区立小松川第一中学校の大久保秀樹先生の授業。
冒頭、水の入ったビーカーに10円玉を沈め、生徒に眺めさせた。すると、見る角度によって、10円玉が3つに分かれて見えたり消えたりした。光の屈折によって起こるこの現象をきっかけに、「そもそも光はなぜ曲がるのか」を数学的に考えた。
この中で大久保先生は、光の速さを測定したフィゾーの実験を紹介し、塾生に光の速さ(30万キロメートル毎秒)を計算で求めさせた。その次に、「光は水の中やガラスの中に入ると進む速度が遅くなる」と、屈折の理由を説明。塾生達に、ガラスの中を通る光の屈折率を、実験で測定させたデータをもとに計算させた。
最後に、先生は「昨日からみなさんを見てますが、難しい言葉が好きですね。難しいことを難しく言うのは誰でもできること。だから10円玉が消えた理由を、小学6年生に説明するつもりで“わかりやすく”書いてください。」と塾生にレポートを書かせた後、それをホワイトボードに一斉に貼り出した。
塾生は他の人が書いたレポートを見て「○○君のわかりやすいね」「これ説明になってなくない?」などと感想を言いあっていた。
夜は天体観測
8限目は天体望遠鏡6本による天体観察。ちょうど満月。クレーターなどもくっきり見えた。次に木星。惑星4つ、5つを捉えると、塾生たちから「エーツ、初めてー」の歓声があがっていた。