「福島の経験を未来へつなぐ──災害時に必要な支援とは」 坪倉 正治 福島県立医科大学 放射線健康管理学講座 教授

1時限目は、福島県立医科大学の坪倉正治先生です。
坪倉先生は、2011年の東日本大震災発生当時、福島県相馬市と南相馬市で被災者の医療支援にあたり、その後現在まで、放射線被ばく検査体制の構築や、検査データを分析し次世代に活かす取り組みなどを行ってきました。

 講義では、まず基礎知識として、様々な放射線についての説明をされました。
その後、福島第一原子力発電所事故の仕組みや被害の状況、住民の健康被害についてデータに基づき解説。そして、医師として参加した住民説明会での苦労についてもお話しされました。
 先生は、原発事故に限らず、大きな災害の健康被害は多岐にわたり、被災直後だけでなく中長期的な視点で考えることが大切であると語りました。

私が特に印象に残ったのは、情報の伝え方についてです。
放射線被ばくについて科学的に正しい情報でも、実際に社会へ伝える場面では、人々の不安や感情と向き合わなければならず、正しい情報を伝え理解してもらうためには、科学的な根拠だけでなく、覚悟と確固たる意思が必要であると感じました。

 将来、理科好きの皆さんの中には、自らの研究成果を社会に役立てる仕事に携わる人もいると思います。その過程では、逆風に直面することもあるかもしれません。先生の経験を通して、強い信念と誠意を持って伝え続けることの大切さを学ぶことができたのではないでしょうか。

(12期生・山崎和奏)

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