四次元時空と宇宙の広がり(牧野 崇 豊島区立駒込中学校 副校長)

本日2時限目の講義は、先生の「宇宙がどれくらい広いかイメージしてみましょう」との言葉から始まりました。「太陽は地球の何倍の大きさですか」との問いに、塾生は「109倍」と答えます。これをイメージするために、白板に貼られた直径1 ⅿの紙を太陽とします。「これが地球の大きさです」と直径約1 cmの球を取り出すと、塾生は苦笑します。しかしこの縮尺でも、地球は太陽の107 m先を周回していることになります。

宇宙の壮大な話は続きます。
最も近い恒星であるケンタウルス座α星は4.3光年離れているので、4.3年前の光が見えていることになります。ベテルギウスは642光年離れているので、西暦1377年頃に発せられた光が今ようやく見えているのです、との説明に、宇宙の広さに思いを馳せます。銀河系にはそんな恒星が無数にあり、銀河系の写真を見ると、個々の恒星は煙のような粒にしか見えません。恒星の集まりである銀河もまた、宇宙には幾多とあります。

宇宙の大きさについて思いを馳せたところで、次は次元について考えてみます。「世界は何次元ですか」と先生が問いかけると、「縦・横・高さの3次元」との回答が挙がります。「では4次元はどのような空間でしょうか。実際に作って考えてみましょう」ということで、工作が始まりました。

針金モールとストローを使い、各々で3次元の立方体を作ります。出来上がった立方体の各頂点を、隣の塾生の作った立方体の対応する頂点につなぐと、不思議な図形ができました。これが「4次元の立方体」です。3次元の立方体を2次元の紙に描くと各辺が直角にならないように、この4次元の立方体も歪んでいます。「実は宇宙は11次元だ、という説もあります」と、先生は説明します。

最後に、「それぞれが思い描く未来の人の絵を描いてみよう」と牧野先生。未来の人類は、手を動かして活動し続けたことで、手が進化しているでしょうか。あるいは、道具に頼るようになり、手は退化しているでしょうか。頭は、耳は、目は、鼻は、口は、胴体はどうでしょう。「あなたがノートに書いたその絵が、人類が進化していく一つの方向かもしれませんし、宇宙人の姿かもしれません」と、想像を膨らませたところで講義が終わりました。

(4期 高倉 隼人)