バイオイメージングとは何か(西村 智 自治医科大学 教授)

4限目は、医師でありながら、現在は主に顕微鏡などの機器の開発を行っているという西村先生の講義です。

講義は、先生の昔の研究内容である、バイオイメージングの紹介から始まります。すぐに役に立つとは限らない研究も多い中で、「役に立たなければ研究は意味がない」と話す西村先生。バイオイメージングでは、生体内の様子を捉え、画像として解析することができます。しかし、観察・解析のために様々な処理を行う必要があり、ヒトを対象として臨床で用いることは難しいとのこと。何かの役に立つものを作りたい、との思いから、機器の開発に移行していったそうです。

講義は、西村先生が実際に制作した機器の紹介に移ります。

はじめは、先生自身が乗っている車いすの紹介です。先生は、自転車や台車など既製品の部品を使って、長距離走行用、普段の移動用など自分のニーズに合わせた車いすを何台も作ったとのこと。発明は、皆の生活を変えるようなものでなくてもよく、ちょっとした「こんなものがあったらいいな」というアイディアで気軽に行ってよいと先生は語ります。またその際には、一から物を作るのではなく、諸々の既製品を組み合わせることにより、新たな価値が楽に創造できるといいます。

先生の発明品の紹介は、ロボット掃除機を改造した台車、車の改造、動くぬいぐるみまで、多岐にわたります。数々の発明品が動く様子をみて、塾生は興味津々です。
そのような塾生に対して、先生は器具のパーツを指さして「この部分はどんな仕組みで動いていると思う?」と聞いていきます。発明品を見る際にただすごいと受け取るのではなく、なぜ動くのか、構造にどのような意味があるのか、を考えてほしいというメッセージが塾生に送られたところで講義は終了となりました。

この後は、塾生自身が手を動かしてロボットを制作するという課題が待ち受けます。先生からのメッセージを生かして、塾生には創意工夫にあふれるロボットを製作してもらいたいと思います。

(7期 野村 俊貴)

 

videocam講義を動画でご覧いただけます。

映像の公開は終了しました。(23.8.28)

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