記念シンポジウム「こころと知性への挑戦」
左から 、司会の尾関章氏(朝日新聞論説委員)、
利根川進教授(マサチューセッツ工科大)、
トーステン・ヴィーゼル名誉教授(ロックフェラー大)
パネルディスカッションでは、
1、脳科学これからの10年
2、脳科学の総合性、学際性
3、医療と脳科学
4、脳科学
に対する社会の期待の四つのテーマで議論しました。
利根川教授は、「脳は1000億個の細胞が神経繊維を出して、巨大なネットワークを作っている最も複雑な機械。この回路(ネットワーク)の研究としては電子顕微鏡、スーパーコンピューターを駆使する時代だ」と将来を展望しました。
甘利氏も「今や脳科学は爆発的に伸びる時期に来ている」との認識を示しました。
学際性について利根川教授は「MIT脳科学センター(同氏はセンター長)では研究者の出身は皆、異なる」
ションコフ教授も「私のセンター(同氏はハーバード大小児発達センター長)でも各学部にまたがっている。分野を超えて取組んでいる。科学者は保守的なので時間と忍耐も必要」と、実情を語りました。
医療と脳科学については、金沢博士、利根川教授は「アルツハイマー病(認知症)は大変な病気。脳が半分位に縮んでは手に負えないが、その前に、早期に見つけられれば、対応によって脳の機能が一部戻る(回復する)結果も出ている」との現状を語りました。
最後に甘利センター長が「脳の核心が見えてきたかという段階。今後は学際的に各大学、各国と連携して取組む」と締めくくりました。 |