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 10:30~

 岩崎 俊一  先生
 東北工業大学 理事長

 「インターネット社会を支える垂直ハードディスク」


現代のインターネット社会に欠かせない垂直ハードディスク。それに用いられる垂直磁気記録の研究で数々の賞を受賞し、天皇陛下へご進講も行った岩崎先生の講義です。

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記録方式の研究は、テレグラフォンを発明した磁気記録の父・ポールセン、そして日本ではご自身の恩師である永井健三から始まり、1958年に岩崎先生が発表したメタル粉末塗布テープにつながっていきます。

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その後も岩崎先生は水平記録方式の研究を続けていきますが、安定性に欠けることから限界を感じ、それまで実用化されていなかった垂直記録方式の研究に至ります。

これを実用化したHDDは、従来のメタルテープに比べ記録容量が飛躍的に大きくなり、世界へ大きなインパクトを与えました。

現在、当たり前のように利用しているインターネットも、この大容量HDDによって支えられているのです。

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「科学は技術の母、そして技術は科学の父である」と岩崎先生。

現在、HDDは年間6億台を超える生産量があり、HDD技術が社会へ普及し、新たな文明を形成しつつあるとし、創造(科学)から展開(技術)、そして実社会との融合といった、学術と社会の相互循環が必要であると話しました。

また、今後の科学技術の目標は「新しい文明を築くこと」とし、科学と技術は、将来を見据えた視点と両者の均衡のとれた発展が不可欠であると語りました。

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最後は、質疑応答。

科学が新たな文明を生むという意味についての質問には、

「私は当初、この研究は人を利口にするためのものだと思っていたが、HDDにより個人が知識をたくさん持てるようになった。そこから個人の自由な発想・文化を生むという、想像以上の効果があった。」

また、磁気テープの仕組みについて詳しく説明してほしい、という質問もあり、

塾生の関心の高さがうかがえました。

 (事務局 大野涼子)

 

【講師ご紹介】
1926年福島県生まれ。1949年東北大学工学部通信工学科を卒業、同年東京通信工業株式会社(現ソニー)入社、1951年に東北大学電気通信研究所助手となり、1964年教授に就任。1986年より同所所長を務めて1989年に退官。ただちに東北工業大学学長となり、2004年理事長に就任。また、1984年米国IEEEフェロー、1991年より日本学術会議第15期・第16期・第17期会員。1994年宮中「講書始の儀」進講者、2003年日本学士院会員を歴任。さらに日本応用磁気学界、テレビジョン学会、電子情報通信学会の副会長及び会長を務めた。  一貫して高密度磁気記録の研究に取り組み、1958年には現在のデジタルビデオテープに広く普及しているメタルテープを発明。また1977年に発明した垂直磁気記録は2005年に実用化され、2010年にハードディスク装置の年間生産量が6億台に達している。これらの業績に対して、数々の顕彰がされており、著名なものだけでも、日本応用磁気学会学会賞(1986年)、日本学士院賞(1987年)、文化功労者顕彰(1987年)、科学技術長官賞(科学技術功労者)(1988年)、米国IEEEコンピューターソサエティ業績賞(1988年)、米国IEEEクレドブルネッティ賞(1989年)、高柳記念賞(1996年)、叙勲瑞宝重光章(2003年)、日本国際賞(2010年)、文化勲章(2013年)、米国ベンジャンミン・フランクリンメダル(2014年)等がある。

 


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