8月3日 (日) 2時限目 「放射線の利用」
青木 久美子 先生
世田谷区立千歳中学校 教諭
1時限目の高畠先生の授業に引き続き、2時限目は青木先生による「放射線の応用」です。
最初に「身に着けた知識をもとに探究することが大事」という青木先生。1時限目の放射線の授業をもとに、「放射線に関してどんなことを探求したいか」と塾生に問いかけました。
塾生からは「放射線の波長を変えて可視光線にできないか」「放射線の測定器はどういう仕組みなのか」「そもそもどうして放射線は出来てくるのだろうか」と言った声が聞かれました。
そして、様々な物質の放射線量を測定。
測定器を何にも向けていなくても放射線は検出されてきます。「この値はバックグラウンドと言って、普段から出ている量なので、色々な物の放射線量を測る時には、この値を差し引いて考える必要があります」と青木先生。実験における条件制御の大切さを学びました。
実際に測定を始めると、「ウランは予想通りだった」という声が聞かれる一方、「昆布からも出てくるなんて意外」という声も。ここで、α線は紙によって遮ることができると先生からお話があり、実際にやってみると、ウランからのα線の量はみるみる減少し、驚いた様子の塾生。
次に、どんな物質が放射線を減らせるか実験しました。
ガラス、スーパーボール、水など身近なものを、放射性物質と測定器の間に置いて、数値を計測。すると、水とガラスが放射線を減らせるという結果になりました。
実際には、水は放射線を減らすことに使われているだけでなく、放射線による熱によって、水が蒸気となることで発電にも使われているとのことでした。
最後に、汚染水や廃炉といった、最近の放射線に関する問題に触れた青木先生は、「正しい知識を身に着けて放射線と付き合っていく必要がある」と話します。
そして、「そうした問題を解決するには『探究』をもとに4つの『シンカ(真価、深化、進化、新価)』が大事です」と述べ、講義を締めくくりました。
(2期生 貴田浩之)