8月5日 3時限目
「カーボンナノチューブの発見」
飯島 澄男 名城大学教授
教室の前にさまざまな組織の模型が用意され、物理学者・飯嶋澄男先生の講義がスタート。
1991年、飯嶋先生は、カーボンナノチューブという炭素物質を発見しました。その発見は、他の実験中に起きた“偶然”だったと話します。
「偶然はよく準備した人に微笑む」という、細菌学者・パスツールの言葉を紹介し、「だから、準備をすれば、みんなも科学者になれるよ。」と語りかけました。
カーボンナノチューブを観察する塾生達
また、模型を使って構造を説明したり、ダイヤモンドなどの炭素物質のサンプルを生徒一人ひとりに見せるなど、肉眼では見えないナノの世界を丁寧に解説していました。
最後には、カーボンナノチューブを使った高性能キャパシタ(=蓄電器)の実用性についての質問があり、「なんだか学会の質問みたいだなぁ」と苦笑いしながらも、しっかり答えてくれました。
授業後の休み時間にも、塾生は模型を触って観察したり写真を撮ったりと、ナノの世界に目を輝かせていました。
(事務局・大野)
飯島 澄男 先生 プロフィール
物理学者および化学者。独立行政法人産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センターセンター長。新エネルギー・産業技術総合開発機構カーボンナノチューブキャパシタ開発プロジェクトリーダー。文化功労者、日本学士院恩賜賞受賞。カーボンナノチューブの発見(1991年)と電子顕微鏡による構造決定の仕事にて、世界的に有名になった。金の原子がアメーバのように動く金超微粒子の“構造ゆらぎ”現象を発見(1984年)。ノーベル化学賞の有力候補とも見られている。
※カーボンナノチューブ:炭素の同素体。「カーボン=炭素」「ナノ=ナノメートル(nm)」「チューブ=円筒」と3つの言葉を合わせた言葉。炭素原子が網目のように結びついて筒状になったもので、直径はナノメートル単位ととても細く、人の髪の毛の5万分の1の太さ。
ストリーミング動画
動画の公開は終了しました。
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授業で使われた資料
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