ユビキタス・コンピューティング-どこでもコンピュータの世界

【夏合宿レポート】

2009年8月5日

8月5日 4時限目
「ユビキタス・コンピューティング-どこでもコンピュータの世界」
坂村 健  東京大学教授

「どこでもコンピュータ」を目標に、コンピュータの技術開発に携わる坂村先生。
最初に、情報とは何か。コンピュータとは何かについて話しました。
そしてコンピュータの歴史の後、先生が開発を率いる最新のコンピュータがどのようなものなのかを紹介しました。

「実世界のさまざまな物をネットの世界につなぐ」というのが坂村先生の開発のテーマ。
何の変哲もないボールペンを、専門の読み取りの機械を装着した手で持つと…

インターネットにつないでいる端末から、そのボールペンの替芯に関する情報が音声で流れました。
さらにその端末を操作すると、インターネット上でその替芯を購入することができます。
実は、ボールペンには米粒大のコンピュータが組み込まれていて、機械がそれを読み取り、インターネット上で情報を取得することができるのです。

ボールペンだけではなく、本を持つと、その本に書かれている情報が動画で流れたり、薬の箱を持つと、その薬の情報が流れたり。
生活に根付いた最新技術を目の当たりにし、塾生は感動の声をあげていました。

さらに、将来の構想として、道路にコンピュータを組み込み、目の見えない方が端末を持ち歩くと道路の情報を聞くことができたり、スーパーで野菜の外袋にコンピュータを組み込むことで、栽培した人やその環境などの情報を取得できたり。
「モノとか場所にコンピュータを入れると、その状況がわかるようになる」と、技術を駆使して生活の向上を目指す坂村先生の構想は、さらに広がります。

質問の時間には、「最新のコンピュータの技術が悪用される心配はないのか」という質問に、「完全な機械を作ることはできない。技術で世界がよくなることはないので、社会を作っている人間が、ルールをしっかり作るなどして、技術を社会に入れていく方法を検討する必要がある」、また、「とても小さいコンピュータにどうやって電力を供給しているのか」という質問に「小さすぎるコンピュータには電池が入れられないので、実は、読み取りの機械から電力を電波で飛ばして動かし、反射で返ってきた電波を読み取ることで、情報を取得しています」と答えるなど、突っ込んだ質問にも、一つ一つに技術の細かい情報も含めながら、丁寧に答えられました。

(事務局・伊奈)

坂村 健 先生 プロフィール
情報工学者。工学博士。専門は電脳建築学(コンピュータ・アーキテクチャ)、情報工学。コンピューターアーキテクチャ「TRON(The Realtime Operating system Nucleas)プロジェクト」の提唱者でプロジェクトリーダー。
まったく新しい概念によるコンピュータ体系を構築して世界の注目を集める。現在、TRONは携帯電話をはじめとしてデジタルカメラ、FAX、車のエンジン制御と、世界でもっとも使われており、ユビキタス(どこでも)コンピューティング環境を実現する重要な組込OSとなっている。さらに、コンピュータを使った電気製品、家具、住宅、ビル、都市、ミュージアムなど広範なデザイン展開を行っている。2003年紫綬褒章受賞。

 

授業で使われた資料

配布資料はありません。

Link

坂村研究室HP
http://www.sakamura-lab.org/modules/pico/index.php?content_id=1

東京ユビキタス計画HP
http://www.tokyo-ubinavi.jp/about.html

   
   
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