第8回夏合宿-HOME  > 授業レポート

 
   
 
  

 

 8月4日 (日) 4時限目

 

14:30~

西田 篤弘

JAXA・宇宙科学研究所(ISAS) 名誉教授 

講義 

「青空の彼方の世界 - 地球をとりまく宇宙空間の研究」

 

 

  

※授業の動画公開は終了しました。

⇒授業の資料(PDF)

 

 

 

初めに、スペースシャトルから撮った富士山の写真を見せてくださった西田先生。
宇宙空間は空でなく、太陽のコロナから流れ出すプラズマが宇宙区間を満たしているといいます。

 

先生は、中学一年生のときに地震や火山の本を読んで、地球科学に興味を持ったとのこと。この頃の読書体験が、先生ご自身の人生を決めたといいます。そして、大学四年生のときに人工衛星の打ち上げに刺激され宇宙空間科学を専攻した、とご自身の経験を語りました。

 

次に、磁気圏とその影響についての説明。
太陽風が地球の磁場を閉じ込め、磁気圏が形成されます。磁気圏のなかではさまざまな現象が起きており、そのひとつがオーロラ。宇宙空間の利用が進むにつれて、磁気圏の影響を予想する、宇宙天気予報が必要となってきたとのこと。

 

つづいて、オーロラを起こす磁気リコネクションという現象についての解説。
磁場の方向をつないだ曲線を磁力線といい、プラズマが動くと磁力線も動きます。起源の異なる磁力線がつながることを磁力線のつなぎ換えといい、この磁力線のつなぎ換え現象を磁気リコネクションといいます。

 

最後に、磁気圏尾部の探査を行うGEOTAIL衛星計画(1992年7月打ち上げ)について。
この国際協力事業では、国際間で相互の信頼関係が育まれ、事業計画を成功に導いたそうです。
この共同計画成功から得られた教訓として、「最も重要なのは信頼である」と語る先生。
そして、「まずはプロの科学者、技術屋として相手から評価され、尊敬されることが、信頼につながる」と、話しました。