16:30~ (5時限目)

 石黒 浩 先生
 大阪大学 教授(ロボット工学)

 

 


 

ロボット工学の分野で活躍する石黒先生は、本格的にロボットを作り始めてから約20年。
原点は、小学5年の時に親に言われた「人の気持ちを考えなさい」という言葉でした。

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「最初、全然わからなかった」と言う石黒先生。
「人」とは?「気持ち」とは?「考える」とは?どういうことか知っている?と塾生に問いかけます。石黒先生は、「実は何もわかっていない。自分も、今もわからない。それを突き詰めて今までやってきた。」と、語りました。

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石黒先生は、「人間を知るためのロボット研究だ」と話し、より人らしいロボットを目指した研究の道のりを紹介しました。
最も基本的な人間らしい動きという、無意識的動作と反射的動作。これを取り入れたロボットの開発では、脳科学者や心理学者との協力があったそうです。

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続いて、「人間をアーカイブする」というテーマ。
ビデオでは伝わらない存在感を持ち、永遠に人間国宝として存在し続ける、人間国宝の落語家のアンドロイド。
人の存在とは?アンドロイドは本人の代わりになるか?
自分もアンドロイドを持っているが、今、話しているのが人間だとどうしてわかる?と、塾生に問いかけます。

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人間がインターネットに勝る知識量を持つことは不可能。
「では、人間にしかできないことって何か?知能とは?考えることとは?アイデンティティとは?という問題に行き当たる」と言う石黒先生。
最初に自分のアンドロイドを見た時には、自分じゃないと思ったが、よく考えたら、自分を見たことがないことに気付いたそうです。
「人はどれくらい自分のことを知っているか?ということがよくわからなくなる」と話しました。

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演劇をするロボットまで登場していることを紹介し、
「心は人間しか持っていないと思うでしょ?アンドロイドには心はないけど、その演劇を見たら感動する。こうした話を聞くと、なんだかわからなくなるでしょ?」と石黒先生。
ロボットと人間の違いがだんだんなくなってくる中、人間はそれでも区別したがる、として「この研究は、人間の生きる目的を考えることになる。」と講義を締めくくりました。

(事務局 大野涼子)

この授業は、6時限目”「人とロボットの未来」②”につづきます。

 


【講師ご紹介】

 1991年大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了.工学博士.その後,京都大学情報学研究科助教授,大阪大学工学研究科教授等を経て,2009年より大阪大学基礎工学研究科教授.2013年大阪大学特別教授。ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー).専門は,ロボット学,アンドロイドサイエンス,センサネットワーク等.2011年大阪文化賞受賞.