8月5日 5時間目(16:00~)

鈴木 寛
(東京大学教授・慶応義塾大学教授)

科学技術と社会


毎年、この夏合宿で講義をして下さる鈴木先生。
他の講師が理系なのに対し、「自分は文系です」と自己紹介。科学の発展のために「研究者」が重要な仕事をしているのと同じように「研究者に協力する人」も重要な仕事をしています。鈴木先生はこのような協力者のひとりです。

講義では、人工知能のシンギュラリティ(特異点)について考えます。
「人工知能が自分の能力を超える人工知能を自ら生み出し、完全な人工知能が出来たら、それは人類の終焉を意味するかもしれません。」と鈴木先生。

もうすでにIPSで網膜、細胞シートが出来ています。心臓ができる日も近いそうです。このように最新の科学技術はめまぐるしく進化し、私たちの生活を楽にしています。 鈴木先生は、「現在の科学技術の進化は、過去の技術やアイディアに支えられています。時計から原子力発電まで、それらによって便利になった点、失われたものはたくさんあります。」と話しました。

ここで、これから私たちが人工知能を使うとしたら、世の中がどのようにかわるだろうか。人工知能が人間の能力を上回ると言われている2045年ごろを、グループで意見を出し合い考えてみました。自分の考えを一つずつ付箋に書いていきます。

そして、たくさん出た意見を類似しているものでグループ分けをし、前に貼り出すと、さまざまな意見、賛否両論、合い入り混じっていました。「人工知能が犯した罪の責任は誰がとるのか」という倫理的な問題や、「恋人が人工知能になり得るのか」などの面白い意見もありました。人工知能が自らを進化させ、また心を持つようになれば、こういった問題に対して正面から向き合わなければなりません。

2045年には10期生の塾生は44歳…鈴木先生の講義は、近未来について考えを深め合い、まさに創造性が育まれるような時間でした。


(2期生 高山宗子)



経歴

■現職■
文部科学大臣補佐官、東京大学公共政策大学院教授、慶應義塾大学政策メディア研究科教授、 社会創発塾塾長、日本サッカー協会理事


1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、1986年通商産業省に入省。
山口県庁出向中に吉田松陰の松下村塾を何度も通い、人材育成の重要性に目覚め、帰京後大学生などを集めた私塾「すずかんゼミ」を主宰。
その後、官僚から大学教員に転身。慶應義塾大助教授時代は、徹夜で学生たちの相談に乗るなど熱血ぶりを発揮。日本有数のIT業界の実業家や社会起業家などを多数輩出する。 2001年参議院議員初当選(東京都)。


12年間の国会議員任務の中、文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化・情報を中心に活動。東京オリンピック・パラリンピック招致議連事務局長、日本ユネスコ委員も歴任。また、大阪大学招聘教授、中央大学、電通大学、福井大学、和歌山大学で客員教授を務める。

2014年2月より、東京大学公共政策大学院教授、慶應義塾大学政策メディア研究科教授に同時就任、日本初の私立・国立大学のクロスアポイントメント。10月より文部科学省参与、2015年2月文部科学大臣補佐官就任。
若い世代とともに、世代横断的な視野でより良い社会づくりを目指している。

■著書■
『熟議のススメ』(講談社、2013年)、『テレビが政治をダメにした』(双葉新書、2013年)、『「熟議」で日本の教育を変える』(小学館、2010年)など。


Pick Up

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