8月1日 3時間目(13:00~)

渡部 潤一 (国立天文台 副台長)

宇宙生命は存在するか?
~天文学からのアプローチ~


「楽しくお話できたら良いな、と思います」と講義をはじめた渡部先生。
テーマは「地球外に生命は存在するか?」。壮大なこの謎は、天文学から研究が進みつつあるそうです。

テーマを5つの疑問に分けて、講義が始まります。
生命の材料はどこから来るのか?生命に必須とされる水は?
他に太陽系に生命はいるのか?太陽系の外はどうか?
どの生命も必ず進化して文明を持つのか?


先生が子どものころ、教室にだるまストーブというものがありました。
ストーブからちょうどいい距離に座れば暖かいけど、近すぎると暑いし、遠いと逆に寒い。先生は背が高かったため、席が教室の後ろで、寒くって…。太陽系は巨大なストーブです(一同笑)。
一つずつ、身近な例えや宇宙を自由に“旅行”できるソフト(※1)などを使い説明していきます。

恒星からほどよい距離にある惑星のみ、液体の水が、つまり生命が存在し得る。様々な技術を駆使した研究により、1億個もの星が地球と似た環境にある可能性が見えてきたそうです。

広大な宇宙のどこかにいるはずの生命に想いを馳せながら、夜空を眺めよう。難しいことを言わなくても、空を見上げるだけで良い。見上げればそこに、最も大きい時間軸を持つ不思議があるから。そんな言葉を、最後に先生はくれました。
専門家も予測を外す、分からないことだらけの宇宙。
分からないから面白い、そんな先生の想いを受け取った中学生の目は輝いていました。


(※1)講義で“宇宙旅行”に利用した無料ソフト:Mitaka
地球から宇宙全体まで自由に視点を変え、宇宙の様々な構造や天体の位置を見られます。 http://4d2u.nao.ac.jp/html/program/mitaka/


(3期生 小林実可子)


 

略歴

1960年 福島県会津若松市生まれ。福島県立会津高等学校卒。
東京大学理学部天文学科卒。
1987年 東京大学東京天文台助手、国立天文台・光学赤外線天文学研究系・助手、同広報普及室長、 天文情報センター長、教授を経て、
2012年より現職。


太陽系の中の小さな天体(彗星、小惑星、流星など)の観測的研究。
特に彗星・流星を中心に太陽系構造の進化に迫る。国際天文学連合では、惑星定義委員として案の策定に従事し、準惑星という新しいカテゴリーを誕生させた。一方で、天文学の広報普及活動に尽力している。


■現職■

自然科学研究機構国立天文台副台長、教授
総合研究大学院大学数物科学研究科天文科学専攻教授、理学博士。


■著書■

「太陽系の果てを探る」(東京大学出版、布施哲治氏と共著、2004)
「新しい太陽系」(新潮社新潮新書、2007年)      
「ガリレオがひらいた宇宙のとびら」(旬報社、2008年)      
「星空からはじまる天文学入門」(化学同人、2009年)
「天体写真でひもとく 宇宙のふしぎ」(ソフトバンククリエィティブ・サイエンスアイ新書、2009年)
「天文・宇宙の科学 恒星・銀河系内」
「天文・宇宙の科学 宇宙・銀河系外」
「天文・宇宙の科学 太陽系・惑星科学」
「天文・宇宙の科学 天体観測入門」(大日本図書、2012年)
「面白いほど宇宙がわかる15の言の葉」(小学館101新書、2012年)
「大彗星、現る」(吉田誠一、渡部潤一共著、KKベストセラーズ)
「巨大彗星-アイソン彗星がやってくる」(渡部潤一、誠文堂新光社、2013年)


■受賞歴■

1997年 日経サイエンス25周年記念論文賞最優秀賞受賞
2008年  平成20年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞
(理解増進部門)「新しい惑星定義の理解増進ならびに普及啓発」


Pick Up

これまでの夏合宿