8月3日 3時間目(13:00~)
古川 聡 (宇宙飛行士/JAXA)
国際宇宙ステーションと
宇宙医学
3限目は、古川先生を拍手でお迎えして講義スタート。
宇宙での経験と、宇宙医学について講義を行っていただきました。
はじめに、先生の165日にも及ぶ宇宙生活を紹介する映像と、無重力空間での実験の映像を見せていただきました。
続いて、宇宙飛行士の仕事内容について。先生が宇宙飛行士を目指したきっかけを皮切りに、国際宇宙ステーションやソユーズ宇宙船の内部の様子、先生が取り組んだ宇宙実験の内容などがテンポよく紹介されます。
後半は先生のご専門である宇宙医学のお話です。
宇宙空間では、無重力環境、宇宙放射線、そして精神的な負担が原因で、身体に様々な影響が現れるそうです。
「宇宙では満腹感や尿意が地上と異なった」「平衡感覚を失ってしまい、帰還後は小さな段差につまずいたり、上司へのお辞儀さえ出来なかった」など、自身の経験を交えたお話に、塾生たちは、みな興味津々の様子でした。
最後に、現在は宇宙旅行が現実のものとなりつつあると述べ、「いろいろなことに興味を持ち、夢を持ち、夢に向かって一歩踏み出してほしい」と、塾生への激励のメッセージをいただきました。
質問タイムが始まると、ほとんどの塾生が手を挙げて疑問を投げかけました。
「地上よりも宇宙のほうが良かったことは何か」との問いに対しては、「3次元で空間を使える点と、飛んで移動できる点」を挙げ、「帰還後もビルや崖から飛んで行けるような気がして危なかった」と塾生の笑いを誘いました。
また、矢継ぎ早の質問の中、先生は随所で「最も心に残った場面は、仲間に助けられたとき」などと周囲の人々の支えについて口にしていました。
講義を終え、記念撮影の後には塾生一人ひとりと握手してくださり、塾生からは笑顔があふれました。
(4期生 高倉隼人)
経歴
■現職■
JAXA 有人宇宙技術部門 宇宙飛行士運用技術ユニット
宇宙飛行士、
宇宙医学生物学研究グループ長
1989年 東京大学医学部医学科卒業。
2000年同大学博士(医学)取得。
1999年 NASDA(現JAXA)よりISSに搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者として選定される。
2001年 宇宙飛行士として認定される。
2004年 ソユーズ-TMA宇宙船フライトエンジニア資格を取得
2006年 NASAよりMS(ミッションスペシャリスト)として認定される
2011年 ISS第28次/第29次長期滞在クルーのフライトエンジニアとして
国際宇宙ステーションに165日間滞在
2014年より、宇宙医学生物学研究グループ長として宇宙医学研究にまい進中
現役宇宙飛行士として訓練も続けている