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7月30日 2時限目

上田 正仁 東京大学大学院 理学系研究科(物理学専科)教授
「考える力の鍛え方」


「考える力は生まれつきの才能ではなく、意識的な努力で鍛えられます。運動と同じように、考える習慣がつけば、考えることが楽しくなります」と上田先生。先生は、「優秀さ」には、「マニュアル力」「考える力」「創造力」の3段階があるといいます。


「マニュアル力」とは、一般に言われる学力のことで、答えが1通りに決まった問題を時間内に早く正確に解く力です。
「考える力」は、1つの難しい問題を長時間考えて、答えまでたどり着く力。
そして、「創造力」は、自ら課題を見つけて独自の解決法を編み出す力を指します。 「マニュアル力は考える力の基礎となり、考える力は創造力の基礎となるため、それらを総合的に身につけることが大切です」と先生は続けます。

私たちは、大学入試まではマニュアル力により決まる成績で評価されます。しかし、大学に入ると考える力が要求され、また、大学院や社会では創造力が重視されます。このように、人生の各段階で評価基準が突然変わるため、戸惑ってしまう人が少なくありません。このことを理解し、心の準備が必要だと先生は言います。



考える力を鍛えるには、「わからない」を、「ここがわからない」に変えることが重要だそうです。何か課題に直面したとき、まずは、関連する資料をよく読み、わかったことを整理します。そして、それらの間の関係を整理することで、問題の核心がわかり、「情報」が「知恵」に変わります。このときに、効率を意識してはいけません。また、古典に学び、分野を切り拓いた人たちの「考え方の型」を知ることも有用です。



さらに、独創的なことを為すためにはテーマ選択が最重要とのことです。「精一杯頑張れば、何とかできるかもしれない」と感じたテーマを選べば、自分の能力を伸ばすことができます。さらに、好奇心に任せて進み続け、諦めないことが必要です。 アインシュタインは大学受験に失敗し、指導教官から才能がないと言われたにも関わらず、諦めずに研究を続けて、優れた業績を残しました。先生は、「アインシュタイン並の頭脳を持つ人は毎年現れますが、彼ほど粘り強い人は、めったにいません。自ら定めた目標に向かい、最後までやり遂げる人間力が重要です」と締めくくりました。


(4期生:高倉 隼人)


 


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略歴

1963年 大阪生まれ。
1988年 東京大学理学系研究科修士課程卒、東京大学・理学博士。
NTT基礎研究所研究員、広島大学工学部助教授、東京工業大学教授等を経て、
2008年(平成20年)より、現職の、東京大学大学院・物理学教授。
中央教育審議会教育課程特別部会委員。

主な著書

「東大物理学者が教える「考える力」の 鍛え方」(ブックマン社)
「東大物理学者が教える「伝える力」の 鍛え方」(ブックマン社)

受賞歴

2002年 第六回松尾学術賞
2007年 文部科学大臣表彰・科学技術賞(研究部門)
2008年 仁科(にしな)記念賞 第5回(平成20年度)日本学術振興会賞
2011年 Americal Physical Society Outstanding Referee Awards
    (*日本訳:米国物理学会卓越審査員賞)


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