7月30日 5時限目
青木 久美子 世田谷区立千歳中学校 教諭
「放射線について」
本日3つ目の実験は、青木先生のご担当です。地学が専門である先生は「地球が語っていることに耳を傾けたことはありますか?」と、塾生たちに問いかけます。地震や火山活動など、地球は様々な手段で私たちに語り掛けてきますが、この実験では、その一つである放射線について学びます。
はじめに、放射線についての基礎知識を学びます。
放射線は様々な分野で利用される一方、生物に悪影響を及ぼすこともあります。まずは、放射線測定器「はかるくん」を用いて、研修室内の放射線量を測定してみます。さらに、花崗岩や塩、船底に用いられる塗料などの放射線量も調べ、物質により放射線量が異なることを確認しました。
放射線は、物質からどのように出るのでしょうか。これを調べるために、霧箱と呼ばれる装置を用いて放射線の軌跡を見てみます。微量の放射線を出す物質を霧箱の上に置き、静電気を帯びた棒を近づけると、飛行機雲のような筋が見えます。塾生たちはその様子を写真に収め、自分の予想と比べました。「放射線は連続的に出るわけではなく、断続的に生じるのです」と先生が解説します。
さらに、アクリル板やアルミ板、鉛の板などを放射線源の前に置くと、放射線量がどのように変化するのか、また、線量計を放射線源から遠ざけるとどうなるかを調べます。実験の結果から、放射線の影響を減らすには、「鉛の板などでの遮断する」「距離を離す」「被ばく時間を短くする」の3点が重要であることがわかりました。
最後に、先生は「新価、すなわち新しい価値を考え、創造を深めてほしい」と塾生たちにメッセージを送り、「福島第一原子力発電所では、現在除染作業が行われています。皆さんならどうするか考えてみてください。また、放射線測定器を使って様々な場所での放射線量を測ってみてください」と宿題を課しました。その後、研修所のいたるところで熱心に放射線量を計測する塾生の姿が見られました。
(4期生:高倉 隼人)