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7月31日 1時限目

鈴木 寛 文部科学大臣補佐官 東京大学大学院・慶応大学 教授
「板挟みこそ創造の母」



物理学など理系の学問に興味を持ちつつも、東大法学部に進み、国家公務員の道を選んだ鈴木寛先生。 科学技術振興のためには文系と理系が協力していくことが不可欠で、最先端で研究を頑張る研究者も大事、研究者を支える人も大事、支える人を支える人も大事、とご自身の経歴を交えながらお話が始まりました。



「現在は近代が終わって次の時代に移っていく過渡期であり、世界中の人が自ら変化を主導しうる環境である」と、先生。「みなさんはこれから様々な難問に出会うでしょうが、きちんと問題に向き合って、なんとか少しでも改善するべく先頭に立って働いていただきたい」と、塾生にエールを贈りました。


また、人工知能の普及により、2045年ごろ人工知能の能力が人間の能力を上回るといわれていることを取り上げ、将来の人間の仕事は、現在のものとは大きく変わることを説明してくださいました。「その中でも、抽象的な概念を整理・創出する仕事や、他者との協調や他者への理解・説得を求められる仕事が残っていくと考えられるので、人と一緒になにかをする能力を大切にしてほしい」と、言います。 「そのためにも、文系理系にこだわらず、幅広い分野を理解したうえで、ある分野に秀でた人材になり、それぞれ異なる高度な資質・能力を持った人たちとチームを組んで取り組めば、難問を乗り越えていけるのだ」と、熱く語ってくださいました。



続いて医療に関する話題です。 日本の薬事承認の問題点を解説してくださった後、ワクチンの承認の考え方について塾生同士で話し合いました。 重篤な副作用が起きる可能性があるワクチンの接種について、ワクチンを打つことによって助かる命を尊重して接種を続けるべきなのか、ワクチンを打ったことによって副作用で苦しむ人が出ないよう接種をやめるべきなのか、グループにわかれて活発に議論していました。



また、遺伝子配列が簡単に調べられるようになった現在、遺伝子を解析することで病気のかかりやすさがわかるようになってきました。しかしこれは、健康に関するリスクは平等である、という前提で、国民がお金を出し合って助け合う現在の日本の医療保険制度を揺るがしかねません。

「研究を進めるということにはリスクもあり、こうした板ばさみの問題についても考えなければならないことは忘れないでください」と、お話を締めくくりました。


(2期生:田崎慎太郎)






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現職

文部科学大臣補佐官、東京大学公共政策大学院教授、慶應義塾大学政策メディア研究科教授、
社会創発塾塾長、日本サッカー協会理事、OECD教育政策アドバイザー

略歴

1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、1986年通商産業省に入省。
山口県庁出向中に吉田松陰の松下村塾に何度も通い、人材育成の重要性に目覚め、帰京後大学生などを集めた私塾「すずかんゼミ」を主宰。
その後、官僚から大学教員に転身。慶應義塾大助教授時代は、徹夜で学生たちの相談に乗るなど熱血ぶりを発揮。日本有数のIT業界の実業家や社会起業家などを多数輩出する。
2001年 参議院議員初当選(東京都)。12年間の国会議員任務の中、文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化・情報を中心に活動。再生医療推進議員連盟幹事長、東京オリンピック・パラリンピック招致議連事務局長、日本ユネスコ委員も歴任。
2014年2月より、東京大学公共政策大学院教授、慶應義塾大学政策メディア研究科教授に同時就任、日本初の私立・国立大学のクロスアポイントメント。また、大阪大学招聘教授、電通大学、福井大学、和歌山大学、千葉大学で客員教授を務める。
2015年2月、文部科学大臣補佐官就任。G7倉敷教育大臣会合議長代行。
若い世代とともに、世代横断的な視野でより良い社会づくりを目指している。

主な著書

『熟議のススメ』(講談社、2013年)、『テレビが政治をダメにした』(双葉新書、2013年)、
『「熟議」で日本の教育を変える』(小学館、2010年)など。


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