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7月31日 4時限目

下田 治信 国分寺市立第一中学校 教諭
「飛ぶ種を研究しよう」



「そもそも、種は何のためにあるのでしょうか?」 先生が質問すると、さっそく手が挙がりました。
「子孫を残すため」 植物は種をつくることで増えていきますが、自力で移動することはできません。
そのため、種には動物や風に運ばれるための様々な工夫が見られると先生は言います。 動物に運んでもらう種は、赤色をしていたり、トゲがついていたり、アリをおびき寄せる餌がついていたりします。


 

風で運ばれる種にも、多様な工夫が見られます。綿毛を飛ばすタンポポが有名です。先生は、タンポポとは別の形の綿毛を持つアザミを紹介し、全員に配りました。塾生たちは、手であおいだり息を吹きかけたりして次々と飛ばしていきます。パラシュートのようになかなか下に落ちてきません。


続いて、先生が配ったのはニワウルシの実です。薄い枯れ葉のような翼の真ん中に、丸い小さな実がはまったような形です。上から落とすと、細かく回転しながら、ゆっくり落ちていきます。その間に風を受け、遠くまで運ばれるのです。



「折り紙で種の模型をつくりましょう」 ここから実験スタートです。
ノリやハサミで切り貼りして、ニワウルシのように回転する形をつくります。
「よく本物の種を観察してください。」先生がアドバイスをすると、塾生たちは真剣にニワウルシの形状を観察。そして、何度も落下させてみて、長さを調節したり、ひねりを加えたりして、ニワウルシのように回転しながら落下する模型が完成しました。


次に先生が見せてくれたのは、ツクバネという羽子板の羽根のような実。ツクバネは、ヘリコプターのように回転して、落ちるのが特徴です。 先ほどと同じように観察して、紙とコルクで模型を作ります。
風洞装置に入れると、くるくると回りながら、浮きあがりました。その様子に、目を輝かせていました。



最後に、紹介されたのは、アルソミトラというグライダーのような実。
大きな1枚の薄い羽根で、ゆったりと滑空していきます。これも、薄い発泡スチロールで模型をつくります。



完成したら研修所の吹き抜けで飛行テストです。ゆったりと宙を舞う自作の模型を見て塾生も満足げでした。


観察することで発見がある、生き物からヒントが得られると先生は語ります。
身の回りのものを気にしながら歩くことで新しいアイデアに巡り会えるかもしれません。



(一期生:佐々木駿)

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