8月1日 午前
富士通沼津工場 見学
今日は、夏合宿で唯一の課外授業。
まずは、三島の研修所から車で約30分の富士通沼津工場を見学します。
冒頭、阿部工場長より、工場の概要についてお話しいただきました。
この富士通沼津工場は、敷地面積約53万㎡。東京ディズニーランドよりも大きい、広大な敷地を持っています。まるで公園のように緑いっぱいの敷地内には、工場だけでなく、茶畑や、多様な野生生物が生息できる環境も維持されているそうです。
ここでは、社会インフラなどのソフトウェアの研究開発や評価、また富士通グループの人材育成まで様々な事業が行われています。
続いて、3班に分かれて、工場内を案内していただきました。
1935年に創業した富士通。現在の事業に至るまで、時代の流れとともに、様々な変遷をたどってきました。
DNA館は、そんな富士通の”DNA”を次の世代に伝えるために作られた特別な場所。ここでは、通信事業が始まった昭和初期の製品から、初期のコンピューター、海底ケーブル、スマートホンやパソコン、スーパーコンピューターまで、多くの富士通製品や資料を見ることができました。
終戦直後の日本で使われていた電話に、塾生たちは興味津々。その電話を実際に使ってみるという、貴重な体験もしてきました。
この他、池田記念室では、1959年に富士通が製造した「リレー式計算機FACOM128B」」を間近で見学。
生産から57年経っていますが、こちらもまだ動きます。
今のコンピューターからは想像できないほど大きな装置に、塾生たちは見入っていました。
富士通が携わったプロジェクトの中で最も有名なものの一つが、スーパーコンピューター”京”。開発者である伊東さん(現在は富士通化成株式会社の執行役員)から、スーパーコンピューターの利用分野や、京の開発について、お話していただきました。
京は、データ処理能力で世界一のタイトルを獲った、日本の技術の結晶ともいえるコンピューターです。
その仕組みやCPUなどの部品の解説をしていただきました。
また、「こうした先進的な技術開発には、若い世代の柔軟な発想力が大切だ」と、伊東さん。実際に、京には、30代の若いエンジニアのアイディアも盛り込まれているそうです。次の世代である塾生たちのアイディアが製品になる日も、そう遠い未来ではないかもしれません。
最後に、「現在、多くの技術開発に携わっている富士通ですが、その技術が生まれる場は個人の自由な発想が飛び交っている」と伊東さんは言います。開発段階での議論は、固定観念に縛られない、様々な意見の交換がされており、まさに“創造性”が重視されているそうです。そうした中から、新しい考え方が生まれ、技術の発展につながる…未来のエンジニアに向けたメッセージともいえるお話でした。
(2期生:高山 宗子)