8月1日 午後
国立遺伝学研究所 見学
富士通沼津工場を後にした塾生たちは、少し足を延ばし、神奈川県箱根町の箱根園へ。
ここで昼食をとり、ひと休みした後、国立遺伝学研究所へ向かいました。
まず、桂所長から、遺伝学研究所の概要や、遺伝子についての簡単な説明。その後、この研究所で“イトヨ”の研究をしている北野先生から、研究の内容についての講演をしていただきました。
桂所長による説明 イトヨの研究をする北野教授
生物がなぜ多様化していったかを知るためには、一つの種がどこで分岐したかを解明することが重要。その分岐点で、生物のDNAが変化しているのです。 DNAの変化には、環境や個体などに何らかの要因があり、北野先生は他の研究者との議論や協力により、それらを明らかにしていくそうです。「何かをしたいときに他の人と協力することは、サイエンスをする上でとても大切なこと」と北野先生。創造性の育成塾のような互いに協力し合いながらの共同生活は、サイエンスの基本なのかもしれません。
北野先生の研究は、「その物事について深く知りたい」という、興味から生まれる問いが始まりだそうです。そこから明確なゴール設定や計画が立てられ、実験や観察、議論が繰り返し行われて、研究が掘り下げられていきます。学会などで発表されているような論文はこのようにして行われた研究の成果です。その発表の喜びや不安など、研究者ならではの思いも北野先生から教えていただき、塾生たちにとって研究者という仕事を理解するきっかけとなったようです。
講演の後は、研究所の中を見学させていただきました。 北野先生の研究室では、先生の研究対象であるイトヨが、何種類も飼われていました。イトヨの進化や発生も元をたどっていくと、全て遺伝子レベルの話につながります。その遺伝子によって現れる各々のイトヨの違いを、塾生たちは興味深く観察していました。
(2期生:高山宗子)