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8月3日 2時限目

大久保 秀樹 墨田区立桜堤中学校 教諭
「摩擦力の測定」



この時間は、静止摩擦係数を求める実験です。
「実験をするためには、狙いを明確にすることが大切」と、語る大久保先生。
今日の実験では、①摩擦力の測定をしてその法則性を見いだし、別の例にその法則性を活用すること、②測定結果を処理する方法を使い、その測定値の信頼度を表すことができるようにする、という二つの狙いがあることを、確認しました。



まずは、実験器具の組み立てからです。
ばねはかり・滑車・測定物体が、同一平面上に直角に並ぶようにするのがポイントで、まわりの先生方のアドバイスも受けながら、仲間で協力し作業を進めていきます。
測定は、全体を2グループにわけ、机の面の静止摩擦力を測定する班と、厚紙の静止摩擦力を測定する班に分かれます。



実際に実験をはじめてみると、厚紙が動いてしまう、糸がまっすぐにひけない、はかりの読み取りが難しいなど、様々な困難が。
測定結果の処理についても、慣れない数式の計算に四苦八苦しつつ、協力して処理を進め、最大静止摩擦力を求めていました。


続いて、演算結果を利用して静止摩擦係数を算出します。
先生の説明を聞きながら、間違えないように注意して計算を進めていました。
空箱の場合と、おもりが入った場合の二つの実験から求めた静止摩擦係数のデータ範囲が重なった班はほとんどなく、先生からは「大学でこんな精度で実験をしていたら、家に帰れません。」と厳しい言葉が。



最後に、求めた静止摩擦係数を斜面上の物体の運動へ活用します。
塾生が座っている机を傾けた際、どれくらいの角度にすれば物体が滑り始めるかを求め、実際に検証しました。自分たちで求めた静止摩擦係数を使って持ち上げる高さを推定します。
予想よりも高く上げないとすべりはじめない班が多く、高さの測定方法を工夫しつつなんとか計測していました。



最後に、「今日の実験は、時間の関係で急いでしまったので、大きな誤差がある結果になってしまいました。しかし研究では、データの読み取りや有効数字の考え方、得たデータの処理の仕方など細かい操作が必要になります。この実験を通して、研究には地味な作業の繰り返しも必要であることを学んでください。」と講義を締めくくりました。



(2期生:田崎 慎太郎)




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