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8月3日 3時限目

油井 亀美也 JAXA宇宙飛行士
「宇宙で気づいた大切な事」



3時限目は塾生お待ちかね、宇宙飛行士の油井亀美也先生による講義です。
2015年7月~12月にわたり、国際宇宙ステーションに約142日間滞在した油井先生。育成塾では、第7回以来、2回目のご登壇になります。今回は、国際宇宙ステーションでの長期滞在の経験を踏まえて、将来を拓くための3つの秘策を塾生に伝えてくださいました。



まずは、油井先生から塾生に質問です。
「宇宙に興味がある人?」という先生からの質問に、多くの生徒が挙手します。広大で美しく、ミステリアスな宇宙に魅力を感じている塾生は多いようです。また、「宇宙飛行士になりたい人?」という質問に対しては、一人の塾生が腕をまっすぐにして元気よく挙手していました。



次に、国際宇宙ステーションでの油井先生の活躍がビデオで紹介されます。
宇宙滞在時の日常生活、実験や研究の内容は塾生にとって新鮮なものでした。



幼いころから星が好きで、将来は宇宙飛行士か天文学者になりたいと夢を抱いていた油井先生。
ところが、防衛大学校進学時、自衛隊員になるために、宇宙飛行士になる夢をあきらめかけていたそうです。この時、当時の先輩は「今やるべきことを全力でやりなさい。そうすれば、将来の道は自然に開き、結果として夢に近づくことができる。」と、先生に言葉を投げかけたと言います。 この言葉を機に、夢を諦めかけていた先生は、自衛隊でテストパイロットを務めると同時に、宇宙飛行士になるという夢に向かって走り続けることを決心したそうです。自身のエピソードを交え、「夢を持つこと、そして夢を諦めないことが大切だ」と、先生は塾生に言葉をかけます。



油井先生が塾生に伝えた「将来を拓き、夢をかなえるために必要な秘策3つ」は、夢を持つこと、互いに夢・目標を語りサポートしあうこと、そして、現実を見つめ、夢とのギャップを埋めるためにひたすら頑張ること。「この育成塾に参加したことで、みんなの将来は拓けている。各自の夢に向かって、これらのことを実践してほしい」と、先生は塾生にエールを送ります。

油井先生は宇宙に行ったことで、地球や国際協力の大切さにも気づいたそうです。「宇宙ではそれぞれの国の文化、歴史、言語をお互いに理解して尊重している。これは、国際的に協力する時に、とても大切なこと。」と、世界で、そして宇宙で活躍する油井先生は言います。




質疑応答の時間では、ほとんどの塾生が手を挙げて先生に次々と質問をしました。
「無重力空間での消化器官や内臓の働きは問題ない?」「文化の違う人とコミュニケーションをとる時に気を付けたことは?」「宇宙で病気になったらどうするの?」など、数多くの質問ひとつひとつに対して、先生はにこやかに、時に笑いを交えながらとても親切に対応してくださいました。



(5期生:土山絢子)





※この動画は掲載は終了しました。




現職

有人宇宙技術部門 宇宙飛行士運用技術ユニット 宇宙飛行士

略歴

1970年、長野県に生まれる。
1992年4月に防衛庁(現防衛省)航空自衛隊入隊。
2009年2月にJAXAよりISSに搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者として、現在国際宇宙ステーションに長期滞在中の大西卓哉飛行士とともに選抜され、同年4月にJAXAに入社。

2011年にISS搭乗宇宙飛行士として認定された後、2015年7月~12月にわたり、ISS第44次/第45次長期滞在クルーのフライトエンジニアとして国際宇宙ステーションに約142日間滞在。
滞在中は、日本人として初めて「こうのとり」をロボットアームで把持する任務を遂行し、21にも及ぶ実験を実施した。

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