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8月3日 4時限目

藤川 淳一 東レ 常任顧問
先端材料が拓く地球の未来
-社会の持続的成長に貢献する東レの先端材料-



様々な基礎素材から最先端の材料開発まで、幅広く事業を展開している合成繊維メーカー東レ。その常任顧問を務める藤川先生のご講義です。これまでの夏合宿の講師の方は、ほとんどが研究者でしたが、藤川先生は、産業界の第一線で活躍する企業の立場から、最先端の材料や研究開発についてお話いただきました。



数多くある東レの製品の中で、今回取り上げられたのは、炭素繊維複合体と海水淡水化膜(RO繊維)。
炭素繊維複合体とは、プラスチックを炭素繊維で強化したもので、非常に軽く、鉄と同じくらいの強度があります。塾生たちは炭素繊維複合体のプレートを実際に手にとり、その軽さを実感していました。
これを飛行機や車などに使用すれば、機体や車体が軽くなり、燃料費を節約できるため、地球環境に優しい素材といえます。



海水淡水化膜は、海水を淡水にするなどの水処理に使われる繊維です。藤川先生は塾生たちにもわかりやすいように色水を使ってデモ実験をしてくれました。



青色に着色された水が、海水淡水化膜を通過すると透明な水になりました。
日本は水に恵まれていますが、世界では飲み水が手に入りにくい地域がまだまだたくさんあります。中東やアフリカでは、塩分の高い海水を蒸留して飲み水にしていますが、蒸留には燃料や様々なコストがかかります。海水淡水化膜は水不足の地域に飲料水を提供できる、環境に優しく世界の人々に役立つ素材なのです。



東レは、日本だけではなく世界で事業を展開しているグローバル企業でもあり、環境問題など世界が抱えている問題に多くの人や企業と協力して取り組んでいます。
「大きな志、高い目標を持って進めば夢は必ず実現する」と藤川先生。研究開発だけでなく、様々な場面であきらめないこと、そして、失敗してもよく観察することの大切さを、塾生たちに伝えてくださいました。



(2期生:高山宗子)





※授業の動画の公開は終了しました。



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