レポート一覧

一流の講師陣による講義・実験の様子をレポートします。



7月28日(金) 3時限目

高畠 勇二
エネルギー・環境理科教育研究所 副代表理事

「タブレットを使ったプログラムの学習」



 お昼ご飯を食べてエネルギーを蓄えたあとに待っているのは、いよいよ、今回の合宿で初めての実験です。午前中、初めての講義で緊張気味だった塾生に、高畠先生はやさしく問いかけました。「あんまり難しいことは言わないで、みんなにプログラミングを体験してみて欲しいです。」塾生たちの緊張も少し解け、期待とやる気が高まります。

 「プログラミングを学ぶと言っても、決してプログラマーの養成をするわけではありません。」高畠先生は塾生に問いかけます。
「すでに分かっていることを勉強するのも大事です。だけど、みんながこれから進む世界は分からないことだらけ。自分で答えを探さなければならない。そして、そのときに重要なのは、みんなで相談して、アイデアを出し合って形にしていくことです。」
相談して、考えて、プログラムを作って、実行する。うまくいかなかったら、もう一度、考えて、相談する。トライ&エラー。プログラミングを通して、科学において大切な考え方を学びます。

 いよいよ実験開始です。
各自配布されたタブレットを操作し始めます。
今回使用するのは、SCRATCHというフリーのプログラミングソフト。「知っている人は、分からずに困っている人がいたら教えてあげよう。」
お互いに助け合って学び過ごす。これも育成塾の醍醐味です。

まずは、先生が事前につくったプログラムを動かします。
キャラクターが線に沿って動くプログラム。早速みんな、プログラムの条件を変えながら動きがどう変わるかを試していきます。
徐々に画面にのめり込んでいく塾生たち。お互いに教え合いながら、先生が言わずとも、様々な工夫をしていきます。
「どうやったら動きが変わるかな?」「ここの角度を変えたらいいんじゃない?」「音もいろいろあるね。」「色はどうやって変えるんだろう。」「動く速さはここで変えるんだ。」

 しばらくすると、塾生それぞれの画面に個性が出始めます。
「だから私は機械いじりとかが好きなんです。人間らしさがあって。」高畠先生の思いに、塾生もうなずきます。

どのように命令したら、どのように動くかという感覚がつかめてきた塾生たち。 最後に、自分が思う動きをさせるために、どのように命令すればいいかを考えました。

高畠先生に選ばれた2人が、最後にできあがったものをみんなの前で発表です。

 熊野くんは、線に沿ってキャラクターを2匹同時に動かすプログラムを組みました。 しかし、途中でキャラクターがその場でくるくる回転してしまいます。「どうすればいい?」 高畠先生の問いかけに対し、小林くんがアイデアを出します。

すると、キャラクターはうまく線に沿って動くようになりました。 塾生からも拍手が沸き起こりました。塾生は、アイデアを出し合い自分たちで答えを導き出すことの素晴らしさに気付いたのではないでしょうか。


斉藤くんは、午前中に学んだ、原子核の周りの回る電子を表現しようとしました。 育成塾で学んだことを生かす、表現する、非常に頼もしい姿勢です。

高畠先生も「恐ろしい」と感じるくらい熱心に取り組んだ塾生たち。
これからの講義・実験で、どんな成長を見せてくれるのか、楽しみです。


(2期生 福田宏樹)


 

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