一流の講師陣による講義・実験の様子をレポートします。
大西 琢也
稲城市立稲城第六中学校
「さまざまな化学反応~色と光の化学~」
合宿2回目の実験は、中学校で理科を教えている大西琢也先生。
「化学の楽しさを知ってもらいたい」ということで、学校ではなかなかできない実験がたくさん用意されました。今回は、主に複数人で取り組みます。そのため、塾生たちに、隣や前後の席の子たちと協力して実験をするよう呼びかけられました。
はじめの実験は、時計反応。これは、入れた試薬の量によって、水溶液の色が変化するまでの時間が変わるという、まるで時間が決められているかのように見える実験です。
複雑な準備に、はじめは右往左往しながらも、グループで話し合いながら協力して準備を整え、いざ実験開始!
濃度を変えた5つのサンプルに、ヨウ素酸カリウムを同時に入れると、透明だった液体が、それぞれ違うタイミングで黒紫に変化していきました。反応がみられたグループが一組また一組と歓声を上げていき、拍手も起こりました。
次の実験は、信号反応。自分たちで作った緑色の溶液を振ったり、静かに置いておいたりすると、赤や黄色など、まるで信号のように何度も何度も溶液の色が変化しました。
なかなか色が変わらず、失敗だとあきらめて目を離している間に反応が起きて色が変わり、後から気づいて、目を丸くする塾生も。どのグループも、反応の様子を写真や動画に収めようと夢中でした。
最後の実験は、警察もよく使うというルミノール反応。
部屋の明かりを消して、全員で一斉に薬品を混ぜます。すると、淡い青緑色の光が液体から放たれ、塾生たちから驚きの声が上がりました。最後まで協力しながら化学の楽しさを存分に味わっている様子でした。
海外から来た塾生たちも、今回の実験を通して、周りの塾生たちと協力し、さらに交流を深めることができたようです。
講義の終わりに、先生からは次のような言葉が送られました。
「化学反応は時間がかかったり、一見反応が起きているのかわからないものがある。だからといって、何も起きていないわけではない。見えないものに思いを馳せながら、様々な角度で物事を見たり考えたりすることが必要です。」
実験の時は賑やかだった塾生たちも、先生が話し始めると打って変わって静かになり、先生のメッセージに真剣に耳を傾けていました。
(5期生 宮園健太郎)