レポート一覧

一流の講師陣による講義・実験の様子をレポートします。



8月1日(火) 5時限目

茂木 隆伸
東京大学 理科二類/6期塾生(地学オリンピック)


 5時限目の講義は、6期生の茂木隆伸さんによる「国際地学オリンピックへの誘い」です。茂木さんは、高校時代の2015年第9回ブラジル大会に出場し、銅賞とESP銀賞を受賞しています。

 まずは、地学オリンピックの概要から。
2016年には日本(三重県)で開催された第10回国際地学オリンピック。この時は、26の国・地域から100人が参加しました。国際地学オリンピックと他の科学オリンピックとの違いは、ITFI(International Team Field Investigation:国際協力野外調査)やESP(Earth System Project:与えられたテーマについて班で調べて発表する)など、他の国の人とコミュニケーションを取って解決していく課題が多いことです。もちろん使う言語はEnglish!


 つづいて、茂木さんが実際に参加したブラジル大会での体験について。
出発前に講義を受けた後、地球の反対側までなんと1日以上をかけて移動し、会場のあるボソス・デ・カルダスに到着しました。初日のパーティでは各国が出し物をするのですが、茂木さんら日本代表はソーラン節を踊ったとのこと。翌日は、先生と別れた後に周辺地域を観光し、茂木さんは日本では見ないような草木に興奮したそうです。また、ブラジルは日本との関係も深く、温泉や日本庭園もあったとのこと。
3日目は、ITFIでフィールドワーク。課題は「岩」。大陸が分裂する際の岩について出題され、日本には存在しない種類だったため、日本チームは苦戦したそうです。そして、4日目には筆記試験、5日目には岩石測定や温度測定など実技試験が行われ、6日目にはESPがありました。7日目のITFIとESPの発表の後、自由時間に現地の鉱物屋さん出かけたそうです。

 次に、国際地学オリンピックに出るには?というお話。
国際地学オリンピックに行くためには、日本予選(約1500人が参加)→日本本選→代表選考合宿(英語の試験もあり)を経て、日本代表に選ばれる必要があります。

 最後に、みんなで予選問題にチャレンジ!予選問題と言うと一見難しそうに聞こえますが、地学への興味がさらに深まるような面白い問題のようです。プレートテクトニクスに関する問題を解いている時に、その場にあるプリントなどを使ってモデリングしていた塾生もいました。
ここから、将来の地学オリンピック代表候補が誕生することを期待しています!


(2期生 貴田浩之)

 

講師紹介

現在:

東京大学 教養学部(前期課程)理科二類 一年


略 歴:

2016年 筑波大学附属駒場高等学校卒業
2017年 東京大学理科二類入学

 

 

受賞歴:

2015年 第九回国際地学オリンピック銅賞、ESP銀賞

 

※ESP=地学オリンピック内で行われる活動のひとつ。
国際交流を目的とし、国の枠をこえた混合チームで行われるのが特徴で、テーマに対する調査、ポスター発表などを行い、国際共同研究を疑似的に行い競う。(事務局)



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