レポート一覧

一流の講師陣による講義・実験の様子をレポートします。



8月2日(水) 4時限目

江口 彩花
桜蔭高2年・9期塾生(生物学オリンピック)

「国際生物学オリンピックへの道のり」


 いよいよ夏合宿も終盤となりました。江口さんが話すテーマは「国際生物学オリンピックへの道のり」。江口さんが言うには、「生物学オリンピックは生物好きが集まるお祭りです!」とのこと。国際生物学オリンピック出場までの自身の経験について話していただきました。生物が好きな塾生は多く、また歳が近いこともあってか、みんないつも以上に興味津々です。

 まずは、国際大会の紹介です。

江口さんは、7月31日に、イギリスで行われた第28回国際生物学オリンピックから帰国したばかり。開会式でのチーム紹介で、ドイツチームがハリボー(ドイツのお菓子)を投げていたことや、器具点検の際にブラジルチームと仲良くなったことなど、国際大会の面白い体験を話してくれました。一方、肝心の試験では実験がうまくいかず、日本代表一同、意気消沈してしまったそうです。


 次は、国際生物学オリンピックに出場するまでの道のりについて。
日本代表に選ばれるまでには、国内予選、国内での本選、代表選抜試験の3つがあります。予選はマークシート形式で、基本的な知識さえあれば、問題を読み込むことで解けるとのこと。実際に、江口さんが予選の問題を出題すると、塾生は必死に取り組み、見事正解していました。
国内予選を通過すると、本選に進むことができます。ここでは、4パートに分かれた実験試験を行います。実験試験では電気泳動や植物の解剖、PCR法などを扱います。今回、江口さんは、生物好きの人(ゴキブリを育てている人、ハエの系統樹を買っている人など……)との交流もできて、とても楽しかったそうです。
最後の代表選抜試験は非常に難しく、キャンベル生物学を熟読して臨まない限り、突破は難しいとのことです。


 代表選抜試験に合格し日本代表に選ばれた後は、国際大会の問題を解いて添削してもらい、自分が世界の中でどの位置に入れるのか知ることができます。また、大学で自分の苦手な分野の実験を練習します。国内予選、本選共に有効な対策として、教科書を読んで基礎的知識を身に付けることと、過去問を解くことが良いそうです。

 最後に、江口さんから塾生へのメッセージがありました。

「興味があることには迷わず飛び込もう!」敷居が高いように見えても、実はそこまで難しくない大会も数多くあるので、どんどん挑戦してほしい、との事です。
「めげない心を大切に」江口さんが言うには、実技4試験のうち、必ず一つは失敗するそう。「失敗することもあるけれど、生物学オリンピックに限らず、あきらめないで続けてください」と話しました。

また、「君たちはすでに、塾生の40人に選ばれている。生物学オリンピック本選は80人も選ばれるから、みなさんも本選に行けるはず!」と、江口さんは笑顔で話しました。

  講義の最後に、試験の方法や制限時間、オリンピックまでの勉強方法などについて活発に質問する塾生の様子を見ていると、12期生の中から科学オリンピックの国際大会参加者が出ることに期待が持てました。


(7期生 野村俊貴)

 

講師紹介

現在:

桜蔭高等学校2年


略 歴:

2013年 桜蔭中学・高等学校入学

 

2017年 第28回国際生物学オリンピック出場

☆江口さんは、第28回国際生物学オリンピックで銀メダルを獲得しました。


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