上田 正仁 東京大学大学院教授「考える力の鍛え方」

「伝える力」の鍛え方、「考える力」の鍛え方、などの著者の上田先生。
戦争、病気、不景気など、これから何が起こるかわからない時代。「少し遠い将来を見据えて、今何をすべきかをこの講義を通して考えてほしい」とのメッセージから講義が始まりました。

上田先生曰く、考える力は生まれつきではなく、鍛えることができるそう。
例えば筋トレ。正しく鍛えると必ず筋肉はできますが、鍛えるのをやめると衰えます。だからといってやり始めから無理な筋トレをすれば、身体が壊れてしまいます。段階的に、普段から考える力をつけておく。これが、何が起こっても対処できる人間になれる方法だと上田先生は言います。塾生の年齢から考える力を身に着けると、一生がとても有意義に過ごせるでしょう。

「優秀さ」は高校、大学、社会で大きく変わるようです。それは、優秀さの評価基準が人生の各段階で突然変化するため。この変化を理解して、心の準備をすることが大切です。
大学入試までは類型化された問題を時間内に解決する「マニュアル力」が評価されますが、大学入学後は時間をかけて問題を解決する「考える力」、大学院や社会に出ると自ら課題を見つけて独自の解決策を編み出す「想像力」が評価されます。

「考えること」について考える塾生たち。
最後に上田先生は、アインシュタインを例に、考えること、あきらめないことの大切さを塾生に伝えました。アインシュタインは受験や就職にうまくいかず、多くの人があきらめてしまうような状況下でも、独自に物理学の研究を続けました。その結果、後世まで伝わる大きな功績を残したのです。塾生たちはこれからの長い一生の中で行き詰った時、きっと今日の講義が役に立つ日が来るでしょう。

(2期生 高山 宗子)

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現職

東京大学大学院 理学系研究科(物理学専科)教授

略歴

1986年 東京大学理学部物理学科卒業
1988年 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士課程 修了
1991年 理学博士取得 (東京大学)
1988年 日本電信電話株式会社基礎研究所 研究員
1992年 東京大学物性研究所嘱託研究員 (日本電信電話株式会社基礎研究所と兼務)
1994年 広島大学工学部第二類電子物性大講座助教授
2000年 東京工業大学大学院理工学研究科物性物理学専攻教授
2008年 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授

研究

大学院で最初に行った研究は光子数の連続測定の理論です。その後、メゾスコピック系の物理や多自由度系のトンネリングの研究を行いました。原子気体のボース・アインシュタイン凝縮が実現されてからは冷却原子気体の研究を行いました。また、情報と熱力学とを融合する研究を行いました。最近は、非平衡開放量子系や機械学習の基礎の研究を行っています。

受賞歴・著作

2002年 (財)松尾学術振興財団 松尾学術賞
2007年 文部科学省 文部科学大臣表彰科学技術賞研究部門
2008年 (財)仁科記念財団 仁科記念賞
2009年  日本学術振興会 日本学術振興会賞 
著書
・「東大物理学者が教える『考える力』の鍛え方」
・「東大物理学者が教える『伝える力』の鍛え方」 他