吉田 勝彦 豊島区立駒込中学校 教諭「色水の柱を作ろう」

3日目午後、吉田先生の実験では、グループで協力して「色水の柱」を作りながら、科学的な思考を学びました。

まず最初の課題。
テーブルに赤、黄、青、緑の4種類の液体があります。これを1つの試験管に入れて4色の層になるようにします。
塾生たちは、二人一組のグループで協力しあい、液体を一種類ずつ慎重に試験管へ入れていきます。ちなみに、各グループで色と液体の内容が異なるので、隣ののグループの結果は参考になりません。「試験管の中に入れるだけではだめ、観察が大事」と吉田先生。だんだん自分たちの答えが出る塾生たち。実験のコツを掴んできたようです。

次に、最初とは異なる4色の液体を1つの試験管に入れ、下層から色の順番を調べました。どのグループが早く正しい色の順番を見つけ出せるか競争です。1位のグループは、5分もたたないうちに正解を発見しました。他のグループも続々と正解を見つけ出し、次々と手が上がっていきます。時間をかけて最後まで粘り強く実験を重ねて正解にたどりつくグループもありました。

きれいな色水の柱が完成

ここからは科学的な思考を養う課題です。
どうして「色水の柱」ができるのか?塾生たち自ら仮説と実験計画を立てます。
その結果、①液体の「濃度」が違うから ②液体の「密度」が違うから という二つの仮説が浮かび上がりました。
これを検証するために、各グループで水、エタノール、氷、砂糖、食紅、電子天秤を使って色水を作りながら考えました。

最後の課題は、試験管の中が、赤い溶液→氷→黄色い溶液 にすること、そしてなぜそのような状態になるのか、結論にたどり着くことです。塾生たちはグループで協力しながら仮説をもとに試行錯誤し、「色水の密度が違うから、色水を重ねた柱ができる」という結論にたどり着きました。

今回の実験を通して、①仮説を立てる ②実験計画を立てる ③実験する ④結果から考察し結論を導き出す という、科学実験における基本的な考え方が身についたのではないでしょうか。

(2期生 高山 宗子)