講義

がんゲノム研究最先端(宮野 悟 東京大学医化学研究所ヒトゲノム解析センター長)  

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※講義の様子を映像でご覧いただけます。

お昼ご飯のあとは、がんゲノム研究に関する宮野先生の講義です。
「私の経歴を紹介しますと・・・母のDNAを持った卵子と父のDNAを持った精子が出会って受精卵になったところから私の人生は始まりました」と塾生の笑いを誘って、講義が始まりました。
2500万件以上の医学論文と1500万件以上の薬のデータを学習した人工知能が学習データに基づいて特殊な型の白血病を診断したという、人工知能が人間の命を救った初めてのケースを紹介。がんゲノム研究は、ここまで進んでいます。

まずは細胞の話から。
DNAは1細胞あたり2mもあり、身体全部の細胞が37兆個なので、全長は74,000,000,000km(740億km)になります。小惑星探査機はやぶさの旅は60億kmだったので、その全長ははやぶさの旅12回分に相当します。「はやぶさで感動したかもしれないけれど、人間の身体の方がよっぽど神秘的ではないでしょうか」という先生のお話しに、塾生は驚きと感動の入り混じった表情を浮かべていました。

続いて、がんはどうして起こるのかについて説明していただきました。
がんは想定以上に複雑で、人知を超えていると言われるそうです。そのため、がんを理解するには、まず論文を読むことが必要になります。しかし、例えば、医学・生物系論文のデータベースであるPubMedには、2017年時点で2,700万件もの論文が登録されており、がんに関する論文だけでも20万件を超えていて、とても読み切ることはできません。そこでこの膨大な量のデータを分析するために、人工知能が非常に有効なのです。

近年は技術の発展もあり、ヒトゲノムを読み取る機械が比較的安価に入手できるようになりました。こうした“次世代シークエンサー”と呼ばれる機械を用いて情報を読み取り、人工知能で解析・解釈することで、疾患を遺伝子レベルで解明することが可能になってきました。そして、様々な症例と、シークエンサーを利用して得られたそれらに対する成果を紹介。塾生の目はスライドにくぎ付けです。

宮野先生は、分かりやすいスライド、思わず笑ってしまう面白い例え、親しみの持てるようなイラストなどをたくさん使って、塾生に難しいテーマを分かりやすく説明して下さいました。
「人工知能はまだまだ発展途上です。しかし、これからは人工知能というパワースーツを着た医師たちが活躍する時代になります。そしてそんな未来は、東大医科研でもう始まっているのです。」という、わくわくするようなお言葉と主に、講義は終了しました。

(7期生 因間 朱里)

講義の様子を、映像でご覧いただけます。

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