実験

白い粉の正体を当てる(兼 龍盛 江戸川学園取手中・高等学校 教諭)

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「みんなで楽しみましょう!」という兼先生の挨拶から、本日の最後の実験が始まりました。
実験の目的はシンプルに「白い粉の正体を当てる」です。さてさて、塾生達は見事に白い粉の正体を当てることができるのでしょうか?

次々に試薬が紹介され、「かたくりこ」「ハイポ」「重曹」「炭酸ソーダ」の4種類の白い粉を各グループでプレートに分けていきます。
先生は、「他の粉と混ざらないように、慎重にね」と注意を促します。
次に出てきたのは「クエン酸」「フェノールフタレイン」「うがい薬」という3種類の滴下する薬液と、観察しやすくするための水。4種類の試薬に3種類の薬液を滴下してそれぞれの反応を観測します。塾生からは「おぉ~」という声がそこかしこから上がりました。

と、ここまでは下準備。色見本の完成です。ここからいよいよ謎の白い粉X,Y,Zが登場します。
これは、色見本を作成した「かたくりこ」「ハイポ」「重曹」「炭酸ソーダ」のうちのどれかなのか?それぞれに試薬を滴下し、観察することで粉を特定します。

塾生から「ん?あれ?」と声が上がります。X,Yは色見本と同様の反応を示しましたが、白い粉Zが色見本と同じ反応をしないぞ?ということは、何かと何かが混ざったのか?何が混ざっているか・・・それぞれの仮説を立てます。
仮説を立てたら証明しよう!ということで、実際に試薬を混ぜて、再度試薬を滴下してみます。塾生たちは2種類の混合物だと結論を出そうとしましたが、実は正解は「ハイポ以外の3種類の混合物」。ちょっと難しかったですね。

今回の実験で重要だったポイントは、コンタミネーション(実験の場における汚染や混入のこと)を起こさず、適切に物質を識別すること。
そして「サイエンスは再現性が大事。再現できないものは証明できない。」ということ。
この考え方は、学問すべてに共通するとても大切なものです。塾生の皆さんも、将来様々な研究をして論文を書くことがあると思いますが、この考え方は忘れずにいてほしいと思いました。

そして最後は、兼先生からのメッセージで締めくくられました。
「世の中には分からないことはいっぱいある。実験一つ一つを注意深く観察することが大事。教科書に載っていることがすべてではない。」

明日はいよいよ、講義最終日です。集大成のグループ発表は見る側も楽しみになっています。このまま全員元気に乗り切りましょう!

(2期生 加藤 茉里)

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