1時限目は、ほとんどの塾生が既に習っているはずの大気圧に関する実験です。
机に置いたゴム板の中央を引っ張っても、なかなかはがすことができません。高田先生の実験は、このように大気の重さを実感することから始まりました。先生による演示実験を含め、たくさんの実験が行われました。その中から一部紹介します。
まず、どうすればキャップのないペットボトルの口にピンポン球をつけたままひっくり返せるかを考える実験です。
先生の手本を見た塾生は「当たり前でしょう」と言わんばかりの反応の薄さでしたが、その後挑戦しても、一発で成功したのは1グループだけでした。
「知っている」ことと「できる」こととの違いがよく分かったことだと思います。
次に、ベルヌーイの定理に関する実験です。
普通なら漏斗から落ちるはずのピンポン球が、息を吹いている間だけは落ちないことを実際に目にし、皆あっと驚きました。
流体力学の知識のない塾生は自分の知っていることを頼りに、実験で起こった現象を説明しようと努力していました。発言に詰まる塾生に周りの塾生から「がんばれ」と声がかかるなど、塾生同士の関係がより良くなっていることを実感できる場面もありました。
そして、先生が用意した噴水装置を使った実験です。
1グループに1つの噴水装置が配られ、噴水が起こる仕組みを考えました。「水が下のペットボトルに落ちると下のペットボトルにあった空気が上に移動する。そして、、、分かりません」と、ある塾生。おしい!もう一歩です。水と空気の移動はしっかり観察できています。しばらくして、「上に移動する空気はストローを通っている。また、ストローには穴が開いていて、その中の空気に引っ張られて水がストロー内に入る。そして、空気・水・空気・水と交互にストローの上部に上がっていくから途切れ途切れに水が吹き出る。」と大正解の答えがちゃんと出てきました。水の吹き出し方からストローの中での動きまで、隅々まで見逃さない素晴らしい観察力を発揮してくれました。
最後は、浮沈子の実験です。慎重に重さを調節して作った浮沈子を水の入ったメスシリンダーに浮かべて、圧力の違いでそれが浮き沈みすることを観察しました。
なんとここでは、先生が演示実験で失敗したことを成功させた強者もあわられました。
いろいろな実験の後、アルキメデスの言葉を引用して、「知らないということを知ってほしい。知って、知らないからこそ知ろうとするその姿勢を大切にしてほしい。」と高田先生。
これからの講義でも、どんどん未知のものと遭遇して塾生が成長できることを期待します。
(6期生 野々宮悠太)