2時限目の実験は練馬区開進第四中学校の上田尊先生による「ストローブリッジコンテスト」です。今回は各班に分かれてストローを用いて製作した橋(ストローブリッジ)を25cmある2つのテーブルの間に架け、性能値(橋の耐荷重を重量で割った値)と見た目の2点で優勝を争います。
作戦タイムに入る前に上田先生より橋の構造に関するミニレクチャーがありました。
圧縮力を用いたアーチ構造や橋の枠を強化し中空にするラーメン構造、三角形に支柱を配置するトラス構造といった実際の橋の構造を参考にし、一定以上の力がかかると折れてしまうというストローの特性も考慮しながら、オリジナルの橋を作ることになります。
まずは、25分間の作戦タイムでストローブリッジの設計図を考えます。アーチ構造とトラス構造を組み合わせている班がある一方で、全く新しい構造を考えている班もあり、みな思い思いの設計図をホワイトボードに書いて必要な寸法を計算していきます。
あっという間に作戦タイムが終了し、続いて20分間の製作タイムです。班員で役割分担をして協力しながら、設計図を元にストローとセロハンテープで橋を作っていきます。先程まではにぎやかだった塾生たちも、集中して黙々と作業を進めていきます。残り5分を切ってくると所々より「終わらない!」という悲鳴が。上田先生の采配で4分延長し、各班なんとか完成にこぎつけ、タイムアップとなりました。
完成したストローブリッジの重さを測定し、いよいよおもりを乗せての耐荷重の測定です。
未完成のために自立できなかったり、おもりを入れるためのバケツを吊り下げるだけで潰れてしまったりするストローブリッジも少なくない中で、見事に性能値で1位に輝いたのは5班!トラス構造を二重にしているのに加えて、橋の上下に真っすぐな支柱を入れて重みに耐えられる工夫がなされていました。
見た目に関しては、塾生同士で投票が行われ、11班が1位になりました。
性能値1位の成岡君、松浦さん、王さんチーム
見た目1位の北川さん、岡君、五十嵐さんチーム
最後に上田先生より、ひとつの「ものづくり」を終えた塾生たちにメッセージがありました。
「ものづくり」をする時には、ただ自分が満足するものを作るのではなく、現実には納期やコスト、見た目を考慮することも肝心。特にその中でも時間管理は大切で、その時の自分のベストを尽くして仕上げることが大事とのことでした。
私自身も学会発表の準備中なのですが、勤務もある中でまとまった時間を取るのが難しい現状があります。ついつい論文を読むのに夢中になってしまうのですが、ひとまずは「ちゃんと自立する橋」を作ってみようと思った1コマでした。
(2期生 貴田浩之)