講義

想定外と板挟みこそ創造性の源(鈴木 寛 東大・慶応大 教授/文部科学大臣補佐官)

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※講義の様子を、映像でご覧いただけます。

鈴木寛先生は、「すずかん、と覚えてください」と、塾生に話しかけるように講義を始められました。
日本サッカー協会理事でもある先生は、7月のロシアワールドカップにも足を運んだとのこと。塾生にも身近なサッカーの話から、日本の医療イノベーションの現状まで、先生がこれまでに歴任された様々な分野にわたるお話をしてくださいました。
はじめに、医療の抱える倫理的問題についてのお話を通して、「医学が属している理系の分野だけでなく、哲学などの文系の分野も広く知っておくことが重要である」と強調されました。

また、これからは250年に一度の激動の時代であり、世の中の不確実性がどんどん高まり、グローバル化もどんどんと進行していくのだとおっしゃいました。
グローバル化社会で、違うバックグラウンドを持つ人たちが一緒に協力する上で重要なキーワード”ELSI (Ethical, Legal and Social Issues)”を紹介。それを用いて、iPS細胞やナノテクノロジーがどのように問題を解決してきたか、そして、今もなお抱えている問題を紹介してくださいました。
例えば、再生医療は過去には受精卵を治療に使っていたので、倫理的に問題がありましたが、iPS細胞などの技術によって皮膚などの細胞を用いて治療することが可能になり、その倫理的問題はいくらか解消されました。しかし、治療に使用した細胞ががん細胞になってしまうなどの想定外のことが起こりうるため、再生医療の問題が全て解決されたわけではないということを紹介。加えて医療の分野では、研究開発を推し進めて様々な治療を可能にしたい、という一方で、副作用による薬害をゼロにしなければならない、という板挟みの状態にもあり、そんな中で、いかに問題を解決するのかが重要であると塾生に教えてくださいました。

最後の質疑応答では、塾生からとても多くの質問が出ました。先生は、受けた質問に対して一つ一つ丁寧に答えてくださいました。
たくさんの分野に関わるきっかけについての質問には、ご自身が入院中に自分の病気に関する医学論文を読み、医学に興味を持ったという体験を話され、塾生たちにも、「自分に降りかかった幸運も不幸もチャンスとして活かしてほしい」とエールを送りました。
まだまだ質問しきれなかった塾生もいましたが、そのあとの昼食の時間でも先生とお話しする時間があり、たくさんの刺激を受けたようでした。

(8期生 太田 一毅)

講義の様子を、映像でご覧いただけます。

映像の公開は終了しました。(23.8.28)

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