※講義の様子を、映像でご覧いただけます。
「講義中、質問があればいつでも聞いてください」と、やさしい面持ちで講義を始められた上田先生。知識を提供する一方通行の講義ではなく、対話を重視した形式で進められます。
「筋肉を鍛える」ことと「考える力を鍛える」ことは同じこと。考える力も鍛えることを怠ければ衰えるし、鍛えれば身につきます。というお話から始まりました。
人の能力には3つの種類があると言います。1つはマニュアル力です。大学入学までに重要とされる学力(言語・数学・専門用語)や、型(考え方の基本パターン)ことを指します。マニュアル力は、基礎として必要不可欠なものですが、脳が短時間思考に最適化されてしまい、多角的・複眼的な思想ができなくなることがあります。
2つ目は、考える力。大学(学士、修士)で重要とされる、1つの難しい問題を長時間考えて答えまでたどり着く力です。長距離走型の脳を作ることが必要となり、大学や社会では数週間から数ヶ月間かけて1つの問題に粘り強く取り組める人が高く評価されることになります。「考える力」は「本質を見抜く力」であり、訓練で鍛えられるが、マニュアル的な思考にとらわれると意識がその方向にいけず、結果として鍛えられなくなります。
そして、3つ目は、創造力。大学院(博士)や社会で問われる力であり、自ら課題を見つけて独自の解決策を編み出す力です。「いかに問うか」がもっとも重要なポイントとなります。
この3つの力は相互関係にあります。考える力の基礎はマニュアル力であり、創造力を発揮するためには考える力が必要です。社会では3つの力の総合力が求められています。
ここからはいよいよ「考える力の鍛え方」です。ポイントは「分からない」を「ここが分からない」に変えること。そのためには、「資料を集め、理解し、整理し、情報を知恵に変える」ことだと先生は言います。
身近にできることとしては、古典的文献をじっくり読み、「考え方」や「型」をその中から学ぶことです。そして、最も重要なのはテーマの選択であり、実力の範囲で簡単にできることをやっても成長は見込めず、逆に、絶対できそうにないテーマを選んでも、おそらく絶対にできません。
講義中は、そのつど塾生から積極的に質問があり、上田先生と塾生が対話しながら講義が進行していきました。上田先生は終始塾生の様子を見ながら講義を行ってくださり、塾生達も「考える力の鍛え方」について、しっかり学べた講義であったと思います。
最後は「成功の究極の鍵は諦めない人間力」という上田先生からのメッセージで締めくくられました。
(2期生 加藤 茉里)
講義の様子を、映像でご覧いただけます。
映像の公開は終了しました。(23.8.28)