※講義の様子を、映像でご覧いただけます。
本日3時限目の講義では、文部科学大臣の林芳正先生に、これからの社会についてお話しいただきました。
冒頭、「皆さんの多くは、小学校から大学まで16年の教育を受けて社会に出ます。しかし、16年経つ間に社会は大きく変わります」と切り出し、話を始めます。
戦後の日本は、オイルショックやプラザ合意といった社会の転換点を、産業構造をシフトしながら乗り越えることで経済成長を続けてきました。そして現在、世界経済における日本の地位低下が叫ばれる中で、次の転換点を迎えつつあります。
「今後の社会では、半数程度の労働が人工知能やロボットに代替されると予測されます。しかし、半分の人が無職になるわけではありません。なぜでしょうか」と塾生に問いかける先生。
すると、塾生からすかさず「新しいツールを作り、使い、整備する人が必要となるから」との回答が。「その通りです。したがって、そうした仕事に就くためのスキルを身に着けることが重要になります」と、先生は続けます。
人工知能の発達により、私たちの生活は劇的に変化することが予想されます。
このような超スマート社会、すなわち狩猟社会・農耕社会・工業社会・情報社会に次ぐ「Society 5.0」を迎えるにあたり、多くの課題があります。AIやロボットの技術が発達しても、それを使うための法律や倫理、企業戦略などを考える専門家がいなければ、技術を活用することはできません。また、人生100年時代を目前にし、これまでの60歳定年制度の改革も必要です。
こうした課題に対し、政府では、老若男女様々な人を集めて議論をしています。近年では、アイデアさえあれば、通信技術を活用して自宅で仕事をすることも可能になりつつあります。「AIの活用により80歳くらいまで働ける社会にしたい」と先生は言います。また、学校教育においても、生徒1人1人に個別最適化した学習や、文理分断からの脱却、すなわち文系と理系の区別なく、読解力や数学的思考力などを習得することなどを目指し、改革を進めているとのことです。
講義の最後には、「スマート社会の中で、部活動についてはどのように考えていますか」「社会に直接役立たないような学問分野が孤立しないか」など、講義の内容を自分なりに咀嚼した様々な質問が飛び出し、林先生は、具体的な事例を交えながら、一つずつ丁寧に答えていただきました。
林先生は、講義後の夕食も塾生と一緒に召し上がりました。同席した塾生たちは、少し緊張しながらも、積極的に話をしていました。
(4期生 高倉隼人)
中国からの塾生からの質問にも、気さくにお答えいただきました。
講義の様子を、映像でご覧いただけます。
映像の公開は終了しました。(23.8.28)