「空気と水の実験」宮本 一弘 開成中学校・高等学校

本日最後の4時限目の講師は、開成中学・高等学校の宮本一弘先生。
宮本先生は高校生に化学を教える傍ら、下は幼稚園児から幅広い世代の人々に化学の面白さを伝える実験教室などを行っています。今回は、「水や空気を使った身近な化学」をテーマに実験が開始されました。

前半は宮本先生による演示実験です。
「身近な化学」の言葉の通り、まず先生が取り出したのは、食べかけのお菓子が湿気るのを防ぐための市販の容器。しかし先生の手にかかれば、低圧実験装置に早変わり。中の空気を抜くと、大気圧の影響で蓋が開かなくなります。

続いて、容器の中に色々なものを入れて観察します。お菓子の袋やマシュマロが膨らむ様子に、一同大興奮。そして100度に達していないお湯でも、圧力を下げると沸騰すること(減圧沸騰)も皆で確認しました。先生はこれらの現象を、物質を構成する粒子の概念を用いて説明していきます。

続いて後半は、塾生による実験です。醤油差しとゼムクリップを使った装置で、硫酸ナトリウム水溶液を電気分解しました。
電気分解による気体の発生は、水溶液に加えたBTB溶液の色の変化で確かめます。
ピペットは上手に使えたかな?塾生が各自手作りした装置はカラフルに染まっていました。その後先生が、今塾生たちの手元で起きたことを化学式を用いて説明してくださいました。

残りの時間で再び先生が演示実験をして、この時限は終了。最後まで塾生は目の前の現象に興味津々でした。

宮本先生は、質疑応答で疑問に思ったことを尋ねた塾生に、「考えてみてください」と回答。疑問を持つことは科学者としての大きな一歩、その理由を考えることは次の大きな一歩ですね。

ところで皆さん、実験はうまくいったでしょうか?うまくいかなかった人、心配ご無用です。実験には失敗がつきもの。失敗から大発見が生まれることもあります。上手くいかなかった原因を考えること、それが一番大切です(このレポートを書いているTAも、実は実験が苦手だったとか…)。

(6期生 直川史寛)