「無限の可能性をつかみ取る」清水 博 日本生命保険相互会社 代表取締役社長

1時限目は、日本生命保険相互会社代表取締役社長の清水博先生の「無限の可能性をつかみ取る」という講義です。「時間割を見るとそうそうたる先生方がお話しされていますね。その中で、なんで日本生命の社長?って皆さん思っていると思いますが、私からは、今から役立つ、役立ててほしい話をしたいと思います。」と、講義を始めました。 

まず、清水先生自身のお話。 徳島県出身の先生は自身の学生時代を、”いわゆる田舎のガリ勉タイプ”と自称されました。国語と理数系が好きで、国語も受験科目に入っていた京都大学理学部に入学。その後、大学院試験に落ち、研究者の道をあきらめて文系の生命保険会社への就職を選んだそうです。そこで40年働き、現在代表取締役社長を務められています。

今回の講義のタイトルは、「無限の可能性をつかみ取る」。 先生は「人生は選択の連続。14歳のみなさんも、勉強のことや友達のこと、部活のことなど、一つ一つを選び取って毎日が出来上がっている。そのため、その時々でベストな選択をしてほしい」と話しました。

ここで、先生は将来やりたいことがあるかと塾生に質問。すると、半分以上の手が挙がりました。次の質問は好きな科目・嫌いな科目で、理科が好きという人はほぼ全員、国語が好きという人は4人、逆に国語が本当に嫌い!という人は5人いて、会場から笑いが起こりました。「これから話しますが、国語は自分の考えを伝えるために絶対に必要だから、ぜひ好きになってほしい」と先生は言います。

そして、講義は本題へ。先生自身の体験や失敗を振り返りつつ、無限の可能性をつかみ取るために、若い時に養うべき3つの力を説明されました。

1つめは、見つける力と感じ取る力。好奇心を旺盛に持ち、興味を広げ、知らないことに気づき、知る努力を続ける。具体的には、いろいろな分野の本を読む(途中でやめてもいい)、大人に話を聞く、芸術やスポーツもやってみることです。

2つめは、考える力。まずは与えられた問題をたくさん解くことで土台をつくり、次に、自分で問題を見つけ、解く段階へ進みます。先生は、教科書の内容を覚えるだけで満足してしまったため、次に進めず、研究者をあきらめたということでした。
そして、塾生たちには、問題を自ら見つける手助けになる「なぜなぜノート」の作成を勧めました。「なぜ?」、「どうなっているの?」ということを書き溜め、見返すことで、疑問がはっきりするそうです。タイムパフォーマンスが重要視される今こそ、「なぜ?」をその場だけにせず、考えることが大切だという点が印象に残りました。

そして、3つめは、伝える力。自分が発見したことを他の人にわかってもらえれば、それだけ考えの価値が高まります。伝えるために必要なのは、筋道が通っていること(論理)と分かりやすさ(表現)です。まずは、頭の中のことを全て書き出し、そこから整えていきます。そして、確認するために、誰かに見てもらい、アドバイスを聞くことが大切です。うまく伝えるには、国語を好きになり、たくさん練習を重ねるのみだそうです。自分たちに直接関わる講義に、塾生は真剣に耳を傾けていました。

最後に、「皆さんの前には無限の可能性と輝かしい未来が広がっている。自分が信じるすばらしい未来をつくってください。皆さんは何でもできるし、何にでもなれる。」と塾生にメッセージをいただきました。質疑応答では、読書も国語も好きだがテストの結果がよくないという悩みに対して、「それでいい、続けていれば得るものがある」と答えてくださいました。

(15期生 青島 日差子)

講義動画


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