【矢吹凌一・5期生】
創造性の育成塾第4回OBOG会が、2018年3月27日(火)に東京都内で行われた。
今回は第1部・キャンパスツアー、第2部・交流会、第3部・食事会の3部構成で、2期生から12期生まで約90名が参加した。
第1部・キャンパスツアーでは、参加者約70名は2つのグループに分かれ、東京大学本郷キャンパス内をおよそ1時間かけて散策した。赤門・御殿下グラウンド・三四郎池といった名所を巡った。
各自昼食を取ったのち、文京区シビックセンター会議室において第2部・交流会が行われた。前半には、4名の塾生による全体発表が行われた。
12期生の中村さんは、日本地学オリンピックに参加した経験を語った。この大会では、試験だけではなく、研究者の講義・研究所の見学・留学生との交流といった多様な活動があることに触れ、「本選には参加するだけで価値がある」と述べた。今回、ジュニア銅賞を得られたことを報告したうえで、「育成塾に参加してはじめて地学に挑戦しようと思った。これからも挑戦を続けていきたい。」と締めくくった。
8期生の布施伸一郎さんは、SSH事業の一貫として高校2年次の1年間学んだ成果を、「水俣と福島から考える日本」というタイトルで発表した。約60年前の水俣病と2011年の福島の原発事故において発生した問題点が本質的に共通していると主張したうえで、情報共有のシステムの再構築が必要ではないか、と述べた。発表では、実際に現地を訪れたときの写真が示され、その生々しさに会場内は緊張に包まれた。
去年の夏休みに島根で釣りをした際に、ツキノワグマの出現スポットに行って背筋も凍る思いをした12期生の大屋孝輔さんは、人はクマと共存すべきかについて語る。クマの生態系に与える影響や人間のクマを“保護する”というエゴへの批判を、独自の視点でおこなった。「地球が温暖化すれば、その環境に適応する動物がうまれるかもしれない。」と動物の進化の可能性に触れ、人間の在り方に迫った。
2期生の森美星さんは「今求められる創造性」という題で、環境教育の視点でこれから必要とされる能力を語った。教育に興味を持ったのは、浪人時代に受けた授業やバイトでの家庭教師の経験がきっかけという。環境学の見地からの持続可能性や、ESD塾やエコツーリズムなどの学校外教育について話す。「AIの発達やグローバル化などにより予測不可能になっていく社会の中で、これからは問題を解決する力が必要になる。自分の能力を使って何を解決できるか、想像して創造する。これを是非してみてほしい。」と締めくくった。
全体発表終了後、高校卒業以上の学年になる塾生が、自己紹介をした上で、分野ごとにフリートークをする時間となった。普段はなかなか話す機会のない、他の期の塾生と、様々な分野について語り合う時間となった。
第3部・食事会は文京区内の飲食店で行われた。昼間の時間帯には来られなかった、何人かの塾生も合流し、時間いっぱいまで、同期の塾生・他の期の塾生とおのおのの好きなように交流し、会は解散となった。