第15回夏合宿(オンラインセミナー)にご応募いただいた皆様、お待たせいたしました。
厳正なる選考の結果、下記の48名を第15期生に決定いたしました。

また、各問題の選考委員より総評が届いています。選考総評を見る

 

選考総評

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・選考問題①

綿棒を遠くに飛ばすための工夫が課題です。提出されたレポートでは、大部分が10メートル以内という記録でしたが、中にはなんと数十メートルも飛んだという報告もありました。ストローの長さや太さ、飛ばすときの角度や高さの工夫は、ほぼ全員が試したようです。それ以外では、空気の吹き込み方や、ストローの組み合わせ方を工夫したり、綿棒それ自体の形を変えたり、綿棒におもりを付けたり、さらには、複数の工夫を組み合わせたという報告もありました。挑戦した皆さんの豊かな創造性に驚かされたのと同時に、今後に大きな期待を感じさせられました。

・選考問題②

課題2は、宇宙での結晶づくりを背景に、食塩およびミョウバンの結晶を様々な条件で作成する課題でした。提出されたレポートでは、「特徴的な結晶」を作るために、温度の違いや溶媒の違い、冷やし方等、様々な条件において結晶を作るための工夫が感じられました。結晶を作るために費やした時間や労力は、実験技能としてみなさんの経験値になっているはずです。その中で、「なぜその条件が必要であるのか」、「なぜそのような結晶ができるのか」、そこまでを言及できると次に繋がると感じました。科学の研究は、目的の物を作るだけでなく、そこから「何を見出すか」が重要です。今後のみなさんの研究にも生かしていただければと思います。

・選考問題③

生物の体には、生活する環境にいかに適応してきたかが構造として表れています。一種の生物がもつその構造に着目して私たちの生活に生かすように考え出された応募作品には、ユニークな発明品が数多くありました。
オリジナルであることは「今まで誰にも考えられたことがない」という新規性が求められます。インターネットを使えばワンクリックで調べることができる現代にあって、オリジナルを生み出す源になるのは自らの力で深く考え抜く力ではないでしょうか。選考問題を通して生物の体の構造をじっくり見つめ、試行錯誤する面白さや考えを形にしていく充実感を得られていたら、その経験が創造性の育成につながっていくと期待しています。

・選考問題④

身近で、日ごろから「どうして?」という自然の課題を出題しました。実験方法を考え、観察をして自ら考察をする課題で、1カ月だけでは良い結果を残すことが難しかったかもしれません。結果をきちんと出すことよりも、その結果が仮説とちがうのはなぜか、しっかりと条件を見極めて、何度もトライすることが必要です。応募者の太陽による熱の温まり方の再現には、地面を温めて行うもの、空からの放射熱で行うものなど、様々な考えが出てきて素晴らしかったです。しかし、「モデル」であるがゆえに、周りの環境(例えば室温の変化など)にも大きな影響を受けてしまいます。結果がでなかったときにそのようなことを考察し、再実験を検討できる力こそ、「創造性」です。また、「粒子」で考えることも理科の授業で学んできたことと結びつける大事な取り組みでした。ぜひこれからも、自分で作ったモデルからどのような構造であるかを粒子などで表現したり、様々な周りの環境の条件について考えられるようにしてみてください。きっと実験だけでなく、観察の楽しさもわかりますよ。

・選考問題⑤

身近なコマですが、良く回る条件について考えるときまず大切なのが素材選び、いかに円に近い物体を用意するがカギになります。また自分の仮説とそれを調べるための工夫は何か、皆さんの独創性が試されました。そして仮説を確かめるためには、対照実験が大切です。自分で条件を制御し、実験し結果をもとに考察して新たな仮説を立てる。試行錯誤が試されました。またそれだけでなく実験の結果を見やすくまとめたり、そこから説得力ある考察を述べたりと、試行錯誤の経過をレポートで相手に伝える力が必要でした。この問題で問われたのは科学の研究の流れと一緒です。今回の経験が皆さんの今後のチャレンジの礎になってくれることを期待しています。