第16回夏合宿の塾生の募集には、今年もたくさんのご応募をいただきました。
誠にありがとうございました。

厳正なる選考の結果、下記の37名を第16期塾生に決定いたしました。
(※7.7 追記:事情により1名が辞退されたため名簿を改定しました。第16期塾生は、36名となります。)

また、各問題の選考委員より、総評が届いています。
ご応募いただいた皆様にとって、今後の参考になれば幸いです。

選考総評

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・問題①

食塩や砂糖よりも、融雪剤の方が、雪などを融かす能力が高いのかを実験で確かめる問題でした。雪の降らない季節に実験を行ったため、雪が降る季節の気温を再現するため冷蔵庫や発泡スチロールの中で実験をしたり、かき氷器を使って雪を再現したりするなどの工夫が見られました。他にも対照実験を行うために粒の大きさの違う粉末の大きさを揃えるといった報告や、食塩や砂糖の他にも入浴剤の成分である硫酸マグネシウムや唐辛子などを使って実験をした報告もありました。
今後も身の回りで疑問に思うことがあったら、自ら試行錯誤して調べてください。また、その結果を他の人に伝える時には相手の立場に立って報告をまとめることを心掛けましょう。

・問題②

三葉虫の体の形とよく似た現生動物を見つけ、その現生動物の生活から三葉虫の生活様子をしっかり推論したものが多かったです。本やサイトをたくさん調べ、博物館に行って化石を観察した人もいました。また、先生などに聞いて調べる方法や、レポートの書き方を改善した人もいて力作ぞろいでした。しかし、面接をしてみると、とてもよく調べ深く考えられているのに、その考えを表現し切れていないと感じることもありました。考えていることを分かりやすく表現することは簡単ではありませんが、先生などに読んでもらい、アドバイスをいただいて書き直してみると、考えもまとまり、表現も高まります。これからの参考にしてみてください。

・問題③

回転しながら落下する道具を作成し、「どのように工夫したら回転数を増やせるのか」色々な条件を考え、実験をしているレポートがたくさんありました。色々な条件としては「羽の形」「羽の長さ」「重さ」「羽の角度」「羽の枚数」「軸の形」「軸の長さ」など、さまざまあります。一つずつそれぞれの条件で実験し、実験結果から何が最適かを考える。さらに、すべての結果を総合し、どのようなバランスが「回転数を増やすのに」最適なのかを見出していくことが大切であります。加えて、結果を定量的に考察しているとさらに素晴らしいレポートになります。今回の課題から、「自分で様々視点から条件を考え実験し、その実験結果を整理し考察していく」、科学の学習の面白く大切な方法を学ぶことができたと思います。

・問題④

選択問題4は、通常の人間の生活の中で生じるエネルギーを、既存の発電方法を利用して電気エネルギーとして取り出すことを考えてもらいました。効率よく多くの電気を得られるかどうか、また実際に実現できるかどうかが評価のポイントとなりました。残念ながら既に実用化されているものもありましたが、電磁誘導と圧電素子、太陽光発電を組み合わせて電気を得るアイデアなどは実現すると面白いと感じさせてくれました。 これからも自由な発想で持続的にエネルギーを得られるような方法を考えてもらえると嬉しいです。

・問題⑤

9m×7m×3m程度の教室を想定しアイデアを図解してくださいとしました。自身の経験から水槽に反射する光を利用するとしたものがいくつか、光拡散シートや光ファイバーなどの素材を利用するものが多数あり、それら複数の方法を組み合わせるアイデアをよく練って丁寧にまとめ上げているものが多くありました。モデルを作製して実証していた人も多く、楽しみながら探究していることが見て取れました。素材等を調べ、紙と鉛筆でアイデアを整理し、実証してみる、さらには別の方法を検証してやり直してみるといった探究の流れの経験を、今後に生かしていきましょう。